蚕豆を愛する男が歓喜した表紙!!

オリジナルマンガ誌が大好きだった僕が、今も唯一購読しているのが『ビックコミックオリジナル』だ。もうかれこれ30年以上の付き合いになる。当時から『浮浪雲』『釣りバカ日誌』『三丁目の夕日』『赤兵衛』はずっと連載されていて、今も健在なのはすばらしい。そしてもうひとつ、表紙のイラストを手がけるのもずっと村松 誠さんだ。愛くるしい猫の表情にはいつも癒されていて、このマンガ誌を買い続けている要素の1つとなっている。

これは最新号の1つ前のもので、ちょっぴり太々しい猫がまたいいじゃないか。巻末に掲載されている本人の解説によると、このイラストの舞台となっているのは自身がよく行くバー&ダイニングとのこと。さらに解説には「夏生まれで夏好きでビール好きな私」とある。おーっ、まったく僕と一緒だ。そしてビールには揚げ物、旬の枝豆に蚕豆と続いている。寸分と狂わない嗜好がうれしくなった。

初夏を感じさせる時期のお楽しみといえば、なんといっても蚕豆である。空豆とか天豆なんて表記もあるこの豆の旬は意外に短い。枝豆とバトンタッチするように旬から外れてしまうから、この時期はできるだけいただくようにしている。茹ですぎても手前でもダメで、うまく茹でるのが難しく、居酒屋なんかでは茹で過ぎでガッカリさせられることが多いのだが、この時期はほぼ必ず頼んでいる。ガッカリ率は5割を超えてしまうのは、単にうるさいだけなのかもしれん。

そしてイラストとともに楽しませてくれるのが俳句で、今回も思わず唸った。
〜そら豆が あるから大人が いたのだろう〜
イラストとの絶妙の組み合わせに、左党の僕は思わずニヤつきながらビールを呑んだのだった。なんとも粋な世界ですなあ。このすばらしい句が、『昭和40年男』のvol.30にご登場いただいた松尾スズキさんであることに、ますます歓喜した昭和40年男である。

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