地域に貢献する昭和40年男。

IMG_4171先日、僕が住んでいる団地の集会所でライブを行った。女房が参加している地域密着のテニスクラブがあり、僕はそこの大会の時にカメラマンとして呼び出されて以来、テニスはしないくせに仲良くさせてもらっている。年に何度かの宴に呼んでもらったり、家の前にあるテニスコートで練習があるときに顔を出したりと、そんなお付き合いだ。

年に1度、あーだこーだとクラブの運営を話し合う総会とやらがある。いつもはお昼時に弁当をつつきながらやっているのだが、今回は終った後に宴を開催するという。そこで歌えとのミッションを仰せつかったのだ。年齢層が高いこのクラブには、尊敬すべき人物が多い。その1人でよくもまあそんなにというほど多趣味の方がいて、定年後に習い始めたギターがスゴイ腕前だそうで、それを披露しようというのがそもそもの目的だ。そこに今も細々と音楽活動をしている僕に声がかかり、この奇跡(!?)のライブが実現した。

2人じゃ寂しいと、酒とカラオケをこよなく愛するクラブの部長が加わった。さらに、ここのクラブ員の旦那さんが元プロのドラマーということで参加を願い出ると快く引き受けてくれ、ギター2本とドラムにヴォーカルというカルテットが結成されたのだ。テニスクラブ名の『峰町ソフトテニスクラブ』にちなんでバンド名は『峰町ブルースブラザース』とした。でもブルースは1曲も演奏することなく、岡本真夜さんからRCサクセション、ビートルズにザ・ワイルドワンズの『想い出の渚』までもが飛び出すスーパーセットリストでのぞんだ。

若い頃、僕はロックを生き様としてとらえていた。10代の頃はハタチなんて迎えなくていい。ただただロックに生きたいなんてほざいていたバカなガキだ。そのガキがこの日の僕を見たらそれこそショック死するかもしれない。パイプ椅子に座った笑顔の中年男女がお茶やビールを呑んでいる中で、余興として演奏する僕がいる。まったくロックじゃねえぜと当時のクソガキはとらえたことだろう。が、僕は今に至っても愛し続け、練り上げてきた自分のロックを精一杯ぶちかました。1つも手を抜かず、心を込めて100%使い切る気持ちで演奏した。10代の頃の自分に胸を張って堂々と、これがもうすぐ50歳を迎える男の歌だぜって、まるで諭しているような気分だった。

10数人のほんの小さなコミュニティながら、僕にできることで楽しい時間を過ごすことに貢献する。全国津々浦々で目指すべき地域活性とはそんなことから始まる。役所が旗を振るのではなく、地域に根づいた人たちが流した汗に対して、役所が支えていくのが正しい。と、そんな大げさなことを考えつつ、終了後はみなさんとうまい酒を楽しんだのだった。お世辞まじりながら、歌を褒めていただきながら呑む酒のうまいこと。人生を重ねるってのは悪いもんじゃないですなあ。

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