俺たちが愛する居酒屋。

いい居酒屋が減った。街には資本を武器にしたチェーン店ばかりが増えて、それらに追い出されるがごとく古き良き居酒屋は減る一方だ。東京のディープタウンで僕の住んでいる街に近い蒲田にある呑み屋横丁『バーボンストリート』も、ここ10年ほどで大きく様変わりしてしまった。個性的な個人店が多かったのに、それらが閉まる度に無個性の店が入る。横丁全体の魅力はグーンと下がった。同じく、永きに渡って事務所を構えていた赤坂も粋な店が激減中で、このままいくと嫌いな街に成り下がりそうな勢いである。地方都市でもよく見かけるのは、駅前にドーンとチェーン店があり、その影でかつての居酒屋らしき店のシャッターが閉まっていて、それが何軒もあるといった寂しい光景だ。地元のおっさんたちの憩いの場だったはずなのに敗れ去っていくのは、圧倒的な価格差によるところが大きいためだろう。

写真 2-4だがどっこい、おっさんたちの居酒屋愛は根強く、その強い愛に支えられて踏ん張るいい居酒屋もある。そんな店に出くわすと幸せな気分になる昭和40年男は多いことだろう。つい先日は上野で至福の時を過ごせた。この壁を見ていただければきっとご理解いただけるだろう。

いい居酒屋とは? それぞれに持論があることだろうが僕にとってはまず揚げ出し豆腐があること(笑)。17歳の時に歳をごまかして入ったバイト先で初めて食べた。なんちゅううまさだと、それ以来虜になり今に至っている。これがあるかないかはとても大きいが、なくても満足のいく居酒屋だってもちろんある。居酒屋とは評価するポイントが多岐に渡るのだ。僕好みの居酒屋はこんな感じだ。従業員はおっさんとおばちゃんたちで、愛想は良くなくてもいい。のれんや店内は少々やれている方がいい。サラダが生野菜と表示されている。鯵やイワシのフライがある。焼き鳥のたれがうまい。山かけや月見などの山芋料理がある。漬け物はキチンとぬか漬け。揚げ物には新鮮なキャベツが盛ってあってマヨネーズがたっぷり。禁煙席なんかない(僕は吸わないが)。などなど、挙げていったらきりがないが、きっと多くの昭和40年男が同じような店を好むだろう。

先日20歳過ぎの男とこじんまりとした居酒屋に入ったら、こういった感じの店は初めてだと言う。チェーン店やファミレスしか行かないし、そもそも呑みに行くことが少ないそうだ。すべての若者というわけでないだろうが、周囲はそんな感じだと彼は言う。若者のアルコール離れが進んでいるのはよく見かける記事であり、少子高齢化も進んでいく。個人経営の居酒屋は今後ますます厳しい経営環境になっていくことは間違いない。我々おっさんはこうした店に若者を連れて行き、ガンガン呑ませた方がいい。俺たちが愛する居酒屋を守るのだ。

4件のコメント

  1. 編集長様!やっぱり吉田類先生の番組を視て勉強するのが良いですね。首都圏に出張の際は2~3件梯子したいです。w 美人姉妹がいる居酒屋だるまに行きたいです!!

    • 美人姉妹の居酒屋のことは知りませんでした。行ってみたい。首都圏出張の際は、ぜひ月曜日を絡めていらしてください。

  2. マニュアルどおりの元気のいいだけのお店が増えたんでしょうね。
    確かに当時の「オッサン」に連れて行ってもらったお店は、狭い古い怖い「ばあちゃん」(若かったワイらからみたら)の居酒屋っちゅうか「飲み屋」でした。
    おでんのごっつ美味いとこや、昼に「カレーしたから食べに来い」ってなぜか背が低いのに思いっきり上から目線・・・そやけどそんときはのカレーは・・・ただやねん。
    ほんで仕事終わったらそこで飲んで帰るみたいな。

    ま、最近は経済的にもほとんど外で飲み食いすることがなくなりましたが・・・。

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