こどもの日の過ごし方。

写真 1-1今日はこどもの日で、夏の到来となる立夏でもある。小さな子供がいるお父さん方は、今日くらいは呑んだくれをやめて、家族水入らずの食卓をゆったりと囲みましょう。子育ての終わった親御さんたちは、どうぞ『浅草秘密基地 祭日スペシャル』で自分が子供に戻って騒ぎましょう。お待ちしてます。

裕福な家ではなかったが、こどもの日は盛り上げてくれた両親だった。とくに想い出深いのは、親父が作ってくれた料理だ。昭和の決め技、ケチャップをバシバシ使ったロールキャベツは、お袋の味とはまったく異なるまさしく男の料理で、いつもと違ううれしさがあった。それと我が家では、柏餅をめいっぱい食っていいことになっていて、前日からそれはそれは楽しみだった。近所の和菓子屋さんへ開店と同時に駆け込んで、20個とか30個とかスゴイ数を買い込み、弟と競うようにほおばったものだ。正月、誕生日に次いで楽しみな日だった。

ウチは電気屋を営んでいたから、クリスマスはバタバタの中で迎える。家族でのんびりという気分にあまりなれなかった。こどもの日の電気屋は比較的暇な時期だから、家族全員でゆったりと過ごせて、僕の中ではクリスマスよりこどもの日の方がいい印象が残っている。これは今の自分に脈々と受け継がれていて、子供がいる後輩には「こどもの日はめいっぱいの家族サービスをしろ」なんて説教したり、冒頭のように家族水入らずを呼びかけてしまう。

さて、ここ近年は、同世代から子供が大学に入ったとの報告がグーンと増えた。僕もそうだったが、大学に入った時は子育てに大きな節目を感じる。20代後半くらいで結婚して、30歳くらいで第一子というパターンが多いのだろうな。一方で、まだ小中学生という声もわりと多い。タメ年で考えると、35歳時の子供で現在中学生だから、昨今の晩婚化を考えると普通のことで、僕ら世代でも結婚年齢はずいぶんと幅広くなっていた。

10歳上くらいの先輩たちからは、会社の上司から「家庭を持ってやっと一人前」と言われ続けたなんて声を聞くことが多いが、僕ら世代はそこまで強要されていなかったように思う。結果、好きな時に好きな人と結婚するスタイルが確立して、今の同世代たちに見られる画一化していない家庭年齢となっていて、すばらしいことだと思う。そして、同世代で小さなこどもがいるお父さん達は、僕の時なんかよりずっと余裕があって、子育てに時間を割いている姿には頭が下がるばかりだ。「子育てが早く終わってよかったでしょう」とよく言われるが、当の本人はそうとばかり喜んではいない。金はもちろん、すべてにおいて余裕がなく、息子につらい思いをさせたことがきっとあっただろう。子育てのほとんどを女房に押し付けて、特別な日にだけ親父らしいことをして胸を張る大バカヤローだったのだ。それでもこどもの日は料理を作ったり、鉄板焼きとか手巻き寿司とかそんなメニューで工夫して臨んだりしたのは、両親がそう接してくれたからだ。今や大酒呑みとなった息子を見ていると、そんな日が遠すぎて見えなくなりそうだが(笑)。

では、全国の子育て中のお父さん、こどもの日をめいっぱい楽しくお過ごしください。

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2件のコメント

  1. 我が家も多分に漏れず愚息たちは、大学生に高校生。
    幼児期や小学生の頃には、じじばばが買ってくれた端午の節句の兜飾りを狭い賃貸マンションに飾って祝ったものです。
    いまではその面影もなくさみしい限りです。
    今回のこどもの日から個人的に”子離れの日”と命名し、こどもたちの明るい将来を希望しつつ自身が新しい境地にたどり着けるように精進することを心に決めました。

    • “子離れの日”とはセンスいいですね。でも高校生の息子さんはもうちょいと可愛がっていいんじゃないですかね。ちょうど悪いことをたくさん覚える時期でしょうから(笑)。

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