寿司の好きなネタはサーモン!?

写真 2先日、新聞広告にこんなのを見つけた。回転寿司店はここまで進化しているかと驚いたのは、なんとラーメンをラインナップに加えているじゃないの。こってりとあっさりに辛さを加えた4バリエーションもある。1,000万食を突破しているとのことで、見出しのとおり大人気とは偽りの無いコピーだろう。さらに展開しているフェアが極上サーモンときた。これもつい最近寿司ネタに使われるようになり、今や子供にも大人にも人気上位のネタらしいそうで、客を呼ぶためのフェアにはそれこそいいネタなのだろう。

タイムリーだったのは、世話になっている寿司屋の親父さんと先日こんなやりとりをしたばかりだからだ。
「若い女性のお客さんがお任せでとのことで、次々握っていったんですよ。おいしいおいしいって召し上がってくれて、一通り出したなというところで、なにか好みのネタがあったらおっしゃってくださいと聞いたんですよ。なんだと思います?」ときた。
ウーム、若い方は脂ののったのが好きだから「ハマチじゃないですか」と答えた。
「サーモンですって」

「ああ、最近は人気ありますね」

「ウチは江戸前の看板をあげているんで、サーモンはないんですよと答えたらビックリしてました」と。老舗の寿司屋ではまず置いてないネタだ。脂と臭いが強すぎて、親父さんは寿司ネタとしては適していないと言う。

ラーメンとサーモンを批判をしたいわけじゃない。これも時代のニーズをつかんだ流れのひとつで、乗るか乗らないかの取捨選択や創意工夫も、長い目で見れば伝統の維持へと繋がっていく。老若男女に寿司が愛されているのは、回転寿司によるところは大きいし。創意工夫を続けるから文化は継続しながら光るのであって、安穏と毎日同じことを続けていてはダメだ。和菓子や蕎麦、そしてお寿司だってうまい店ほど改革にどん欲だ。伝統芸能の歌舞伎だって、お客さんがあふれているのは改革による進化を続けているからだろう。

ただ、進化とは守ることもまた努力なのだ。寿司でだと日々変化するシャリとネタ、それを食べるときの気候なども計算しながら、品質を守るのは攻めの気持ちがなければならない。寿司はシンプルな料理だからこそキチンと管理されているべきで、毎日状態が変わるなかでベストを目指していく。そこには日々変革と呼ぶほどの工夫が必要であり、ここに精進の精神が宿るのだ。ニーズに敏感になるよりも、自分がベストと思う状態で客に供すること。これが多くの職人たちに見られる尊敬すべき努力だ。ミシュランの常連、すきやばし次郎の職人、小野次郎さんがかつて、マグロの漁獲が厳しくなる一方で養殖も視野に入れなければならないかもしれないと語っていたことがあった。こうした環境への対応努力こそ、職人魂を感じさせる。

前述の親父さんは毎朝必ず築地に顔を出し、新しいネタのトライも怠らない。ここ数年は、近海魚の変化が大きいそうだ。冷凍の輸入物に頼らないことを自分の寿司の根本に吸えているから、魚の変化への対応が日々求められる。頭が痛い問題だと言いながら挑戦を続けている姿に、清々しさ感じてならない。それにしても、昭和親父の僕には寿司屋でラーメンはどうにも許せないのは、ここの親父さんよりずっと頭が固いかもしれん。

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1件のコメント

  1. そういえば、ラーメンも寿司もカレーも出してる田舎のドライブインって最近見かけなくなったなあ。あれはあれで昭和文化なんだけど。

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