出版社として歩んだ10年。〜中免バイク雑誌誕生〜

うちの社が出版事業に手を出して10周年を迎えたので、
間にいろいろはさみつつ、これまでのことを振り返りながらつづっている。

大人向けのバイク雑誌を立ち上げると宣言して以降、社内外で注目を浴び始めた。
なんてったって『レディスバイク』を復活させたのだからという期待を、痛いほど感じた。
そうした中でややこしかったのは、この頃は団塊世代騒動があって、
そこをターゲットにしようという暗黙のコンセンサスが『バイク版レオン』にはあったのだ。
金を持っていて、時間がある。バイクメーカーも注目しているという発言を繰り返していた。
俺だってそこはボリュームゾーンだと研究を続けたけど、
書店の雑誌コーナーに団塊世代がいないことに気が付いた。
主戦場にお客さんがいないのだから、そんなターゲットはあり得ない。
自分の中から団塊世代からどんどん離れていき、レオン風の団塊世代向けバイク雑誌構想は、
そう時間をかけずに国家の品格風45歳から55歳向けへと劇的に変化したのだった。
やったあ、決まりだね。

ところがこれには、社内の理解を得るという大いなる障害が存在した。
コードネームからしてレオンが入っているのに、国家の品格風といったところでわかりづらくなってしまった。
団塊というキーワードも、暗黙の了解どころか社内では大きな存在のキーワードだったから、
双方を崩したい俺の主張は理解されなかった。
でもね、ものすごい自信があったのだ。
レディスバイクとまったく同じ胸騒ぎというか、「これだよ創造型の創刊は」と興奮していた。
本が出て支持されれば理解は得られるはずだと、俺は孤独にタクトを振り続けた。
40歳の頃だから45歳から55歳というターゲットを理解するのは難しいことだったが、団塊世代よりはましだ。
先に女性誌をやっているという自信も手伝い、俺は周囲に指示を出し続け世界をまとめ込んだ。
こうして誰もがビックリした大人のバイク雑誌『風まかせ』は、翌年の2006年に誕生したのだった。

そしてその一方では、別のプロジェクトが進んでいた。
『バイクまるわかりシリーズ』のテストを経て決定したバイク雑誌、U4(アンダー400)である。
バイク業界は大型免許が教習所で取れるようになってからというもの、
完全にリッターバイクと呼ばれる1000cc以上の大型時代となってしまい、
いわゆる中免は肩身の狭いもので、バイク雑誌も取り上げることが少なくなっていた。
ところが、この虐待にも似たマーケットに異を唱える中免ライダーが数多く存在することに薄々感づいていた俺は、
『バイクまるわかりシリーズ』でここに絞り込んだものを投入した。
そして、大きな反響を得てそれは確信となったのだ。
つうわけで、400cc以下の中免ライダーのための雑誌ということで命名し、定期刊行することにした。
そしてひとつの大冒険をした。
俺は雑誌名の命名まででここからは離れて『風まかせ』の制作に注力することにして、
編集長に『タンデムスタイル』2代目編集長を大抜擢したのだった。

これまですべての雑誌を立ち上げてきた俺にとっては、心配であるのはいうまでもない。
でも、きっとやってくれると10歳年下の男に託した。
年齢的にも自分が初の立ち上げをやった『ジパングツーリング』の頃と一緒だ。
こうして2006年に、またひとつ衝撃的な作品が生まれたのだった。

続くわよーん。

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