ジュリーも教えてくれた男のやせ我慢。

ありゃりゃ、またやっちまったい。昨日のブログがなぜか未公開のままに、朝を迎えてしまった。申し訳ありませぬ。というわけで、これは昨日の22時過ぎに公開したものです(苦笑)。

「グラス一杯払うのがやっとでも、酒は高級クラブで飲め」

この粋なセリフは、20世紀最大の海運王と呼ばれたギリシャの実業家、アリストテレス・オナシス氏の言葉だ。

「つまならいところに毎日行くよりも、そのお金を貯めておいて、いい店を一つずつ、たとえ半年ごとでもいいから覚えて行くことが、自分の身になるんですよ」とは、池波正太郎氏も似たような名言を残している。

昨今、こうしたやせ我慢にも似た行動を貫く男が減ってきているのは、残念なことに否めない。僕だって高級クラブなんか行ったことがないもの(悲)。だが、多くの昭和40年男たちはそもそも消費世代であり、やせ我慢をしてでも見栄っ張りを貫いた者が多いはずだ。無理なローンを組んで、めいっぱい背伸びしていいクルマを買った。価値もよくわからずDCブランドのスーツを買って、似合いもしないのに着込んで街に繰り出しては、これまたよくわからない新種の料理を出すレストランでオンナの子にごちそうする。関東人であれば、赤いカードでそんな出費はすぐに借金できたから、心で泣きながらATMから引き出した。余談ながらもしもあの頃「丸井の借金」というコピーだったら、あたり前だが利用者はずいぶんと減っていたことだろう。丸井のローン&キャッシングだったから誰でもが使っていいと、そんな気分にさせたのだった。

僕は普段、そばとコンビニ、牛丼でほぼ済ませている。これはすべて、うまい寿司屋に行きたいがためだ。加えて、高級クラブは無理でも、いいバーの何軒かは知っているから、晩酌は『下町のナポレオン』で済ませて(我慢じゃない、十分うまい)、その積みあがった節約分でバーに繰り出す。寿司屋からバーへとハシゴする日が最高の贅沢であり、こんなことをやった翌日からはしばらく、財布のヒモがいっそう固くなる。そんな僕をまるで褒めてくれているような、冒頭の2つの名言である。

カサブランカ・ダンディ男はピカピカのキザでいなければならないとは、ジュリーが歌っていた。あんなにカッコいいジュリーが、ボギーの時代の方がいいって嘆いていたんだからそりゃあ心に残る。そして嘆きながらも、ウイスキー瓶からラッパ飲みして、しかも吐き出す姿のなんとカッコよかったことか。今だったらおそらく批判の集中砲火を浴びて、まずヒットしないだろうが、僕らは中1にしてそんなパフォーマンスに出会って育てられたのだから、やはりラッキーだ。ジュリーのありがたい教えのとおり、ピカピカのキザに憧れなくてはならない。そんな男を演じるためには、やせ我慢は必要不可欠だ。

そうそう、もう1ついいセリフがあってこれは僕の先輩より。「年上は年下と呑んだら必ずおごる。俺たちがそうしてきてもらったのだから恩返しなんだ。お前も年下には必ずおごれ」と。やせ我慢はいつの時代も男の美学だ。昭和40年男は下の世代に伝えていかなければイカンですな。

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2件のコメント

  1. SHOGUNの『男達のメロディー』
    ♪男だったら流れ弾のひとつやふたつ 胸にいつでもささってる
    ・・・ってのもグッときますよねぇ~

    • グッときますね。そんな運が悪けりゃ死ぬだけさですものね。こんな詞が作りたい。

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