深まる秋に我想う。

CIMG1887朝晩が冷え込むようになり、東京の紅葉が見ごろだ。イメージとしては例年よりも10日くらい早いように思える。最近、春と秋が短くなっていて、季節の変化が極端に感じられるが、今年は爽やかな秋の日々を感じられる日が多いようにも思える。今日も素晴らしい秋空が広がっていて、こんな日はゆっくりと皇居あたりをぶらつきたいところだが…、愚痴ることなく仕事しよう。だって今日は勤労感謝の日だもの。「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とのこと。さあ、ドンドン生産しろってか。

秋といえばやはり、食欲の秋ですな。マグロ好きの僕にとって、今時期から12月いっぱいくらいの旬は逃したくないところなのだが、昨今はいいマグロにとんと出会えなくなった。昨日は幸いに、お客さんと一緒で老舗の寿司屋で旬の味にありつけたが、スーパーや魚屋でうまいマグロに出会うことはまず無くなってしまった。小さいのを乱獲していることが大きく、それを先日、通りがかりのスーパーの解体ショーで垣間見たのだった。ちょうど今から始まるとのことで、誘われるように入店して見えたのは、70センチほどの本マグロだった。なんともったいないことだろう。このサイズでは、本マグロらしい香りも味もまったく楽しめない。牛や羊は小さい方のもうまいのはわかるが、本マグロはデッカくならなければ価値がない。そんなのに人が群がってしまうのだから、乱獲も仕方無しかと早々に引き上げたのだった。

食品を巡る将来は暗いことばかりだ。先日、減反補助金の減額が決まり多くの農家が困っている。勝手に減反政策を進めてきたのに、こうした理不尽な決定がなされるというのは、もっと騒ぎになっていい話じゃないだろうか。その一方で、補助金が減ってしまうことで米あまりによる価格低下が心配されるから、家畜用の米の補助金を増額検討しているという。まったくもって、ヘンテコな話である。

食品偽装問題もまだまだ氷山の一角しか明るみに出ていないものの、なんだか沈静化してしまっている。その裏で海老が急騰している。今ごろ、宅配おせち業者は頭を痛めているんじゃなかろうか。
「マズイよ、うちのおせちの広告に大正えびって書いちまった。20年前からブラックタイガーしか使っていないのに、さすがに今年は大正えびを使わないとまずいよな。原価が4倍もするから、全体を少しずつ、わからないように減らすしかないな」
なんてことになっているかもしれない。

昨日の寿司屋の親父は、こんなことを嘆いていた。
「養殖の魚ばかり食っているから、天然がうまくないってお客さんが多いんですよ」
囲いの中で育った物が多くあり、当然ながら魚本来の運動量が少ないため油がたっぷりと乗る。それがスタンダードになっているお客さんが多いのだそうだ。こんなのも食にまつわる大きな問題だろう。

食欲の秋を心から楽しめない昨今である。

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1件のコメント

  1. 食べ物は食べれるだけでも感謝しろ。
    さすがは、丙午とか迷信を信じていた知能の低く迷信深い親から生まれたバブル脳くず昭和40年生まれだなWW

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