この〜、たぬきがっ!

昨日の昼は、カツ丼が食いたくなった。
たまに猛烈に食いたくなるでしょ。
〆切を迎えた脳からなんの物質が分泌されているかはわからんが、
なんだか食うことだけが救ってくれる気がするのだ。
そば屋のセットでガツンといきたい。
「冷やしたぬきとカツ丼のセット、そば大盛りでお願いします」
よくある遠慮がちの量でなく、ここはキチンと1人前のそばに
やや小振りではあるが、1枚のカツを使ったカツ丼が仲良く並ぶ。
これでそばを大盛りにすると、大満足なのさ。

出てきた出てきた、会いたかったよカツ丼ちゃん。
そしてそばを口にして我思う。
3食そばが続いてる。
しかも、全部たぬきだ。

昨日の昼はこの街で一番気に入っているそば屋、
布屋更科で冷やしたぬき大盛りをいただき、
そのまま吉野家へとはしごして、並つゆだく卵とよどみない動きでかっ込んだ。
夜は浅草秘密基地に行く前に腹ごしらえと、
なにげなくもう一軒のこの街のお気に入りである、更科に入った。
店名は一緒だが、前者は老舗の江戸そばの店で後者は大衆店である。
ここは普通にうまいうえ、量が大満足なのである。
少し気温が下がったためか、なにげなく選んだのは温かいたぬきそばの大盛りだった。
このとき、とくに2食続いたことを意識することなく、美味しくいただいた。

浅草秘密基地終了後の深夜に事務所に戻って原稿を書き、
朝方寝袋にもぐり込み、始業ギリギリまで寝ていたから朝食は抜きで、
おおいに減った腹がカツ丼を求めたのだ。
と、こういう流れで冒頭に戻る。
いただきま〜す。
うっ、待てよ、夕べはたぬきそばだったなあ。
でも今日は冷やしだからいいか。
うっ、待てよ、昨日の昼は冷やしたぬきだったなあ。
おいしくいただいてはいるものの、ちょっぴり切ない気分の俺なのさ。

昔々、関西の方から「天かすで金取るんか、東京は」とお叱りを受けたことがあるが、
エビの香りがかすかにする揚げ玉がそば出汁に溶けたのは最高にごちそうなんだけどなあ。
揚げ油にごま油を足しているそば屋さんだとなおイイね。
それにしても〆切間際で究極の精神状態のなかだからかな?
3食連続で選んでいたのは、大好きだからなのかな。
ああ、たぬきそば。

参考。
東京港区大門にほど近い布屋更科は老舗さんで、
そば職人マンガ“そばもん”にちょくちょく出ているよ。
若干高めではあるが、最近のブームで高級料理なっちゃったお調子者そば屋とはひと味違う、
庶民的な江戸そばを貫いているので、お近くに来た際にはぜひ立ち寄ってみてください。

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