昭和63年はどうよ?

抱きしめたい次号の制作が佳境を迎えていて、現在ラストスパートでゼイゼイしている。次号も盛りだくさんでお送りするから期待してほしい。

毎号、注目いただいている連載企画『夢、あふれていた俺たちの時代』は、昭和63年を取り上げる。僕らは23歳を迎える年で、大学コースの方々は社会に出た年だ。バブルまっただ中であり、今の大学生にはまったく信じられないだろうが、就職接待を受けた者も多いはずだ。大学コースを選択せず、すでに就職していた方々は、バブルの恩恵を受けながら仕事をしていたかもしれない。なんだか時代がキラキラしていて、今振り返れば完全に社会が変わった頃だ。渦中にいる時はその流れに身を任せていたわけだが、俯瞰でみると恐ろしいほどの変革期である。戦後の日本が沸点へと向けて突き進んでいた年で、この社会を経験できたことは昭和40年男にとっては恩恵だ。

だが当時のおしゃれで浮ついた感じにはついていけなかったのは、僕だけではあるまい。おしゃれなデートが提案されて、クルマがないと女の子の相手にされない。アッシーくんなる言葉が生まれるのが翌年あたりからとのことからも、女性の主張に押され気味の時代でもあった。その大きな原因となったのがトレンディドラマから提案される世界で、ダブル浅野による『抱きしめたい!』なんかに僕らの恋愛対象となる世代の女性たちは夢見たはずだ。モテたい男はその要望に必死についていき、クルマやカッチョいいレストランにガンガン投資していった。雑誌でもデートマニュアルの特集がチョクチョク組まれていて、今ぶっ壊している赤プリには若いカップルがあふれていたそうだ。そんな世界とはまったく無縁で、子育てしながら音楽とバイトに明け暮れていた僕だから、今回の特集は知らないこともたくさん詰まっていておもしろい。

この特集でしばしバブルの余韻に酔っていただきたい。なんだか当時を悪く言う風潮も見えるが、そんなことは断じてない。今に繋がっているすばらしいこともたくさんあるし、その極限の元気を知っていることは知らないよりいいに決まっている。僕らはその凄まじいエネルギーを知っているのだ。バブルよ再びとは言わないが、あの元気は忘れないで走りたい。

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2件のコメント

  1. 浅野ゆう子のカラオケルームが話題になった「ハートに火をつけて」はフジテレビオンデマンドしかなくDVD化されてないんですよね…
    ネット配信にイマイチ好感が持てません。

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