ユリ・ゲラー vs 川口 浩

さあ、今日は本誌のイベントだ。張り切っていくぞ。

本誌とブログの連動企画で、昭和40年男が熱くなったライバル対決を『3番勝負!』と称して展開している。今日はこの対決の解説を、僕の原風景を混ぜながら書かせていただこう。今回は特集から惜しくも漏れてしまったネタを元に対決を組んでみた。いずれは『俺たちブームで大きくなった。Part2』に登場するネタとなるかもしれないから、ぜひ皆さんの清き1票をお願いしたいところだ。

まず1発目は、昭和40年男を夢中にしたブラウン管キャラ対決で、川口浩とユリ・ゲラーとした。盛り上がった時代が若干異なり悩むところだが、2人共に我々の注目を背負ってがんばった。ユリ・ゲラーが突如ブラウン管に現れて繰り出した世界観は、強烈そのものだった。彼によってもたされたスプーン曲げブームは、催眠術やUFO、心霊現象や口裂け女まで、オカルト系摩訶不思議大ブームへと繋がっていきしばらく続いた。クラスではこっくりさんをやる連中が大勢いて、僕はホントに怖いからいつも見ているだけに徹したものだ。

そんなブームのなかにあって、スプーン曲げは念じれば叶うかもしれないと信じたことに夢があふれていた。僕がしっかりと受け継いだバカな血であるが、親父はけっこう真剣に信じていて僕ら兄弟にスプーン曲げを推奨した。古くなったスプーンを曲げさせようとする夜がしばしばあったのだ。どこで仕入れてきた情報か、子供の方が能力を身につけやすく、突如としてできるようになると、親父は子供たちに夢を託したのだ。今考えるとすごく笑えるが、そんなほのぼのとした昭和の原風景が心にあるのは幸せなことだ。もちろん僕も超能力者になりたかった。

川口浩対して川口浩にもずいぶんとワクワクさせられた。後にテレビカメラが先に入っているだのやらせを指摘する声があがったが、放送開始当初(昭和52年)からしばらくは、かつてのユリ・ゲラー同様にお茶の間に強い影響とスリルを提供してくれた。嘉門達夫さんが名曲をリリースしたのは59年であり、ずいぶん後のことなのだ。

秘境や洞窟になにが潜んでいるかに興味と新鮮味を覚えた。これは、以前にユリ・ゲラーによって切り開かれた超能力ブームを受けたから、必然的に欲した。超現象を経て成長した僕らは、人類のリアルなところに新たな夢を見出したのだ。ユリ・ゲラーがいなかったら、川口浩ブームはずいぶんと遅れていたかもしれない。

いずれも昭和のブラウン管から生まれたスターであり、昭和40年男の成長にかかせない栄養となったことだろう。さて皆さんはどちらに強く影響を受けただろうか?

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2件のコメント

  1. ぼくも当時、特撮と並んで、
    この超能力ブームには大いに影響を受けました。
    いつかはきっと超能力者になれると本気で思ってましたね。
    そういえば、休み時間の友達との会話というと、
    こういったオカルト関係のことが多かったですね。
    いい時代でした。
    あの頃の人々の方が、今よりも意識レベルは高いと言ったら
    語弊があるでしょうか。

    • 夢、あふれていた俺たちの時代ですよね。おもしろいものに囲まれていたのは、やっぱり時代が上へと向かっていたからでしょう。その原風景を持つ我々ですから、やはりがんばらなくっちゃ。

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