第2号の制作現場を振り返る。〜インタビューでの涙〜

第2号の制作現場での出来事や想いなんぞを綴っている。
今回は第1特集である“タメ年たちのリアル”に掲載した
西田さん(P68・69)の現場から、第1回目。

Jリーグのジュビロの本拠地というとわかるだろうか、
静岡県は磐田のヤマハ発動機本社をたずねた。
ウチの会社が得意とするバイク雑誌の仕事で、
ここには18年前から何度も来ている。
俺の出張歴は、ここがナンバーワンであることは間違いなく、
ヤマハのロゴマークの入った名刺コレクションは100枚を軽く超えるほどだ。
そんな通い慣れたヤマハ発動機本社であるが、
今回はちょっとした緊張感と新鮮な気持ちでの訪問となった。

取材そのものはバイクを通じたものだが、
普段と異なるのはそれが主役でないことだ。
聞きたいのは、設計者という仕事の喜びと苦悩がテーマなのだから。
たとえば
「その技術の発想の原点は?」
などというお馴染みの質問は
「その技術が生まれる背景にある経験は?」
に変わるのだ。

取材時間は2時間を予定していて、
結果的には30分おしての長丁場となったが、
最後まで集中力は途切れることなく真剣に付き合ってくれた。
インタビュー記事は編集者にとって実にやりがいのあるもので、
それが歩んできた仕事人生なのだからなおのことだ。
もったいないことにカットする部分がたくさんある。
おそらく2時間半におよぶ取材をすべてページにしようとしたら、
10ページは軽く超えてしまう。
バッサリとカットしなければならないのだが、
そこに無念さがあればあるほどいいインタビューだったということの裏返しになる。
この西田さんのインタビューでは、ずいぶんの量をバッサリとやった。

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