第2号の制作現場を振り返る。〜舞台での印象〜

第2号の制作現場での出来事や想いなんぞを綴っている。
第1特集である“タメ年たちのリアル”に掲載した
立川談慶さん(P38〜41)の記事について、第三回目。

初めて談慶さんを舞台で見たオレ。
言葉にパワーが乗っかって、圧を感じる。
自分の視界にいるのは談慶さんひとりなのだが、
視界の反対側にスクリーンが広がっていて噺の世界が見えているような、
なんとも不思議で初めての感覚だった。

スゲーおもしろいよ。
しかもたったひとりで何百もの客を引き込んでいく。
凝った音響も照明もないから、どんなライブよりもスタッフは少ないだろう。
そう考えると、ひとりあたり感動量(感動した観客数÷表現側の人数)が
異常に高い世界だなと、
わけのわからん尺度で感激したのだった。

この数日後、サントリーホールでクラシックのライブを観た。
70人以上の演奏者を指揮者が束ね、やはりスゴイ世界をつくりあげる。
が、ひとりあたり感動量は当然低いよね。
こんなものが優劣をつけるというわけではなく、
いろんな表現のしくみがあっていいと思うのだが、
とにかく談慶さんはピンでやっているのである。

終わって控え室を訪ねると、来社されたときの談慶さんに戻っていた。
舞台のうえで演じていたさっきとは別人で、
まるで普通の人なのである。
挨拶を交わしてそこから去り、一緒に観た副編の小笠原とチョイと一杯ということで、
談慶さんの噺を肴にうまい酒を呑んだ。
やつもえらく感動したようで、ライティングを担当することになった。
出かける前は理解できないのではないかと心配していたのに。
というのも、歌舞伎で寝てしまった経験があるそうだ(なんと罰当たりな)。

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