大編集後記その八。SIONインタビュー。

発売直後だから、初めてここをのぞいてくれている方も多いことでしょう。というのもは、書店に並んでいるのを偶然見つけたと、もう3年近く発行を続けているのに聞く。僕の周囲の感じからすると、存在を知っているタメ年男は相当の少数派で、一桁%じゃないだろうか。『浅草秘密基地』やツイッターなどには、布教活動をしてくれているありがたいタメ年たちの声をよく聞くほどだから、これこそ知名度の低さのあらわれだろう。逆に考えると、認知度が上がれば比例して部数も伸びることになる。がんばりたいものだ。

さて、しつこく続いている大編集後記を今日もお届けしよう。今日はP92に掲載した新連載について語らせてくれ。誌面にも書いたとおりだが、少しラフな感じの肩の力が抜けたページがつくりたかった。前号まで連載していた究極の抜け抜けページ、東海道徒歩の旅が無くなったことが大きい。と、そんなことを考えていたところに、22歳のときから大ファンのSIONさんのインタビューができることになった。これだっと、呑み屋で話しているような雰囲気のページにしようと決定したのだ。

別の雑誌で5年前にもインタビューをさせてもらった。2時間にも及んだインタビューで7ページもの大ヴォリュームでお届けした。そのときも今回同様、新宿のライブハウス『ロフト』で撮影して、今回のメインカットと同じくバーカウンターの前で撮影した。酒とタバコが似合う男らしいカットに仕上がったから、ファンの方は昭和40年男でなくても必見だ。

聴いたことのない人に説明すると、しゃがれ声に重たい言葉が乗っかって、胸へとまっすぐ突き刺さってくる歌だ。突き刺してくると表現したが、決して説教じみた歌詞ではない。シンプルな言葉の数々が、その声や人柄に乗って聴き手の胸にジワッと入り込んでくる。昭和40年男が酒を呑みながら聴くのにしっくりとくる。

22歳のときに初めて聴いたときは、そりゃーぶっ飛んだものだ。セカンドアルバムの『春夏秋冬』だったのだが、いきなりご挨拶の1曲目のサビが“抱いてくれ”と来た。抱いてやるじゃなくて、抱いてくれなのだから。さらに新宿でアクセサリー屋で働いていたから出てきたのか、千円では本物の金は買えないと歌っていた。装飾された言葉でないが、普遍的でありながらつくり上げた世界にテンション感を持たせる言葉のチョイスにノックアウトだった。貸してくれたバイト先の後輩に、今でも感謝しているほどその出会いは大きい。当時音楽の世界を夢見ていた僕に多大なる影響を残し、彼が支持されない音楽シーンなんてクソだと口癖のように言っていた。

実現したのはインタビューだけでない。打ち合わせをかねて酒の席をセッティングしてもらい、ちょうどレコーディングに向けての曲づくりの段階だと聞き、僕は昭和40年男たちに向けた曲を書いてくれと頼んだ。そしてそのお願いは…。詳しくは最新号を見てほしい。ともかく少々私的に盛り上がりすぎだとのご指摘を受けてしまうかもしれないが、5つ歳上のひたすらに歌い続けてきた男の話は、読み応えがある。だからね、まだ買っていない方は書店へG0!!

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4件のコメント

  1. でましたね。デジタル定期購読なので、自動的にダウンロードされてました。
    『怪傑ライオン丸』に『ヤンタン』嬉しい企画でした。
    そして、昭和59年といえば、私は浪人生活。。。
    幸せそうな『アベック』をを斜めに見つめ、そして憧れのあの子の姿を飛雄馬の姉……いや古葉監督の様に見つめ、受験勉強に肩胛骨を向け過ごしてました。

    • 浪人でしたか。僕はプータローでした。社会の流れに逆らっいたので、イマイチトレンドが掴めていませんでした。

  2. 今日、大阪・梅田の書店で見かけましたよ。
    ぼくは手に取りませんでした。
    なぜかと言うと、楽天ブックスに昨日注文して、
    コンビニ受け取りにしてあるため、
    配達が少し遅れるので、まだ読んでないからです。
    先の楽しみに取っておきたかったんですねえ。。。。。
    早く読みたいです。。。

    • 定期購読ありがとうございます。最新号はいかがでしたか? ドキドキ。

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