俺たち演歌世代!!

 

今日のつぶやきのビジュアルは、まだまだ好評発売中の最新号『昭和40年男』の vol.74から引っ張ってきた。連載特集『夢、あふれていた俺たちの時代』で取り上げた、村木賢吉さんのビッグヒット「おやじの海」の記事だ。46歳の新人歌手はこの曲で100万枚を超えるセールスを記録した。昭和54年 のことだった。

 

今のガキどもが演歌を聴く機会はほとんどないだろう。それどころか、好みのモノだけを狙い撃ちで聴くスタイルがすっかり定着している。俺たちがガキの頃は、パーソナルで楽しめるハードを持つ者は一部の金持ちだけだったから、情報源は家族共用のテレビを中心としていた。作り手は家族全員が楽しめるように工夫して、歌謡番組では演歌を聴かされるわけだ。なんだかおやじくさい世界は大好きってことにはならなかったが、内心悪くないと思って聴いていたのが多くの同世代男子ではあるまいか? 教室で「おやじの海」が大好きなんだと告ると、女の子にそっぽを向かれそうで言えなかったけど、本当は演歌の中に大好きな曲がたくさんあった。教室では言えなかったけど、弟とは五木っていいよねと共有していた。

 

山本譲二さんの「みちのくひとり旅」なんか、多くの昭和40年男が歌詞まで覚えてるだろう。余談だが『ザ・ベストテン』で披露したふんどし姿が忘れられない。そしてあの頃のヒット曲ってのは、歌詞が胸に入っていて離れない。当時の歌詞に力があったというのはあるかもしれないが、10代とはそんなものだと思う。多感な頃に飛び込んできた歌詞に、心をゆだねるのは今も昔も変わらない。ただ、大きく変わったのは無駄文化である。

 

僕は将来、無駄文化研究家として生きていこうと思っている (笑) 。「無駄は無駄じゃなく、実は有意義な存在だ」がその定義の中心だ。まっ、同世代諸氏なら誰でもみなさん研究家になれるってくらい、無駄は俺たちの成長のエネルギーでしたな。『ザ・ベストテン』を夢中で観ているところに混じってくる演歌は、慣れるまではいい曲だと思えないから無駄にしか思えない。が、今日の「おやじの海」しかり、長いことランクインされていると段々とそのよさがわかってくる。こうして感情のキャパシティが増やせることこそが、無駄の有効成分だと僕は常々主張している。書店だってそうだ。行けば何冊もの本を手に取って、パラパラとして眺めることで、買わなくとも知識になって自分にこべりつく。想定外の意外な一冊に出会えるかもしれない。わざわざ出かけて、無駄な時間と言うなかれ。書店は活字のワンダーランドなのだ。

 

『昭和40年男』で演歌特集をやりたいのだが、ちょっぴり勇気がない自分もいる。通常版ではなく、一冊まるごとのCD付き特別編集ならありかなとも思っているのだが、いかがでしょうか? 『昭和40年男』特別編集でズバリ「俺たちの演歌」だ。表紙はやはり、山本譲二さんかな。
 

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1件のコメント

  1. 買います。是非、特別編集版(盤?)出しましょう!森 進一さんの”冬の旅”もお忘れなく。聴けば誰しも「あぁ、この歌あったねぇ」と懐かしくなる筈?な名曲です。

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