昭和54年はミラクル 〜大編集後記。

 
(vol.74) 巻頭特集のご紹介を終えて、まだまだ続く大編集後記は連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』を取り上げよう。昭和の一年を切り取ってその年の出来事を深掘りしてお送りしている特集は、頭に見開きを2つ作って総論的にお伝えしている。今日のビジュアルの「昭和40年男的 こころのベストテン」は担当編集たちによってこんなふうに構成された。うんうん、大納得のベストテンになっているじゃないか。

 

俺たちは中1から中2へと上がった年だ。恋はするが、まだ正確にめしべとおしべのことは分かっていなかった。女子はきっとみんなもう分かっていただろうが、この頃の男子は圧倒的にガキだ。が、エロい世界には興味ありありで、クラスでエロ本をめくっては興奮していた。そんな時期だったろう。

 

で、本題本題。こころのベストテンの1位になった インベーダー は想い出いっぱいですな。東京のダウンタウン、荒川区のゲームセンターはバイオレンスな場所であり、隣中学の縄張りに迷い込むと大変なことになったり、怖い先輩が入って来ると小さくなって退散したり。まっ、こうした社交場の経験が後の酒場好きへと発展させた。駄菓子屋、ゲーセン、サテン、ディスコと男を上げていくのである。そして行き着くのだ、居酒屋やバーに。その過程においてのゲーセンは、それまで親しんだ駄菓子屋に比べると目一杯の背伸びとバイオレンスが共存する場所だった。そのスターがなんといってもインベーダーで、中2という時期と嗜好ともバッチリの相性だ。

 

これ以外で出色なのは、2位にランキングされたウォークマンの衝撃だ。音楽との付き合い方を根こそぎ変えたソニーはやはりさすがのメーカーである。加えて9位にランキングされた甲斐バンドの「HERO (ヒーローになる時、それは今) 」の衝撃は未だに鮮烈に記憶されている。昭和53年から54年になった瞬間のテレビジャックは、ちょっと悪っぽい印象的なビジュアルと、タイトルの言葉が乗ったメロディなど、すべてにやられた。うんうん、やはり納得のベストテンであり、皆さんにおかれては肴にしてじっくりと楽しんでいただきたい。じっくりと中2への旅を楽しんでくれっ。
 

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