弥生。

激流のごとき時間は過ぎていき、また新しい月が始まった。年が明けたのが昨日のようだが、すでにカレンダーは2枚もお役御免になったことになる。昨日は如月の意地を見せるかのように東京地方でも雪が降り、缶詰になった編集部屋から何度も外を眺める僕だった。月が変わって一気に春が来たかのように報じられているが、変わらず缶詰だからその恩恵はまったくわからない。あと数日の攻防が過ぎれば、うまいビールと久しぶりの再会は必ずやってくるのだ。

1月に引き続いていろんな話が持ちこまれた1ヶ月だった。もちろんこちらからもずいぶんと攻めたつもりで、いい流れはつくれている。バイク関連の仕事も調子がよく、がんばりどころの今月になるだろう。イベント仕事も始まるので土日は現場、平日は業務とメリハリのきいた毎日となる。とにかく動けるだけ動いてみよう。今年は棺桶に入る前日に思い起こす年になることを目標にしていて、スタートダッシュはうまくいった。みなさんも年度末と新年度計画ででひっちゃかめっちゃかでしょうね。

本来であれば11日の発売日の『昭和40年男』だが、日曜日にあたったので今号は10日の発売となる。震災の日から1年の区切りになる日に偶然にも、しかも閏年によって発売日を避けられたのは、なんとなく運命めいているように感じてならない。ともかく、つくっている人間の気持ちとしては、ずれてくれて助かったとの本音がある。日曜日でよかったと感じているのは、日本中が同じ気持ちじゃないだろうか。自分の傷に応じて思い思いに静かに過ごせばいいのだから。

弥はますますとの意味で、たくさんのものが生まれて花盛りになる月だから弥生なんですって。きれいですなあ。去年たくさんのものを失った僕らだから、今年はたくさんのものを生む、まさに弥生になるように互いにがんばりましょう。

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