本日発売じゃー。

 

新しい一週間が始まる本日、このとんでもない本の発売じゃー。完成して僕のもとに届けられたのが、ワクチン接種から会社に戻った木曜日だった。印刷所に託したのは8月7日だから、なんと2週間以上経ての発売である。いつもながらこのスピード社会になんちゅう作業を強いられているのだろうと思わなくもないが、本とはそれだけ重みがあるということだ。

 

大安につぶやいたとおり、楽書家の肩書きを持つ今泉岐葉さんによる見事な表紙が完成した。梶原一騎という文字を入れなければならないという絶対条件がありながら、できるだけ短いワードで本のタイトルとするのに「我が心の」以上のものを僕は今になっても見つけられない。手前味噌ながらよくできたと思っている。たかがタイトル、されどタイトルなのだ。

 

真っ白の地にタイトルだけの表紙は、1998年にバイク雑誌で始まった編集長人生からずっと夢だった。書籍ならまだしも、雑誌でこれをやるのはとてつもなくハードルが高い。それでもいつかと夢描いていた。今回、このタイトルを思いついた時に夢の実現を企て、さらにうまくツテがあり今泉岐葉さんと出会うに至ったのはギリギリのタイミングだった。タイトな日程で、僕のイメージどおりの書を提供してくれた彼女に深く感謝したい。

 

こうなれば、冒頭の扉ページのペンもめいっぱいの圧で走らせなければならない。男と女という言葉を堂々と使って組み立てた。俺たちにとっての…、というより昭和においてのそのあり方をぶつけてみた。昨今の社会は今回の扉を批判するかもしれないが、これは僕の表現であり梶原一騎の魂にシンクロさせてメッセージしたつもりだ。ボリュームが出てしまい、この紹介サイトではずいぶんと割愛しているから、ぜひ原文を読み込んでいただきたい。現代社会に物足りなさを感じている同世代男子なら、きっと「痛快だぜ」とうなずいていただけるはずだ。いつもどおり、この一冊は過去記事を中心に作っているから、『昭和40年男』を本棚にズラリ並べている方は購入しないでよろしい。だが、書き下ろしが中心になった第1章と、僕のペンによる冒頭のトビラと最終の編集後記に気持ちを出し切っているから、立ち読みで結構だ、ぜひ付き合っていただきたい。令和3年にこの一冊を打ち込めたことは、有森裕子さんがマラソンで1992年の銀に続いて96年に二度目のメダルを取った時のセリフをかみしめたい気分だ。いや、比べたら足元にも及ばないが今宵、呑みます!!
 

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