第80話 キラーパスが飛んできた。(1)
編集部の高橋が腰痛でダウンした。これまでも騙し騙しやってきたのだが1週間ほど自宅作業になり、締め切り日が近づいたころになんとか出社してきたものの進行はすこぶる悪い。それに1週間の自宅作業はほとんど自宅療養だったといっていいだろう、遅れも相当なものになっていた。他の編集部員にも、もちろん俺にも余裕はまったくない。そこで立てた作戦はこうだ。比較的進行の...
続きを見る編集部の高橋が腰痛でダウンした。これまでも騙し騙しやってきたのだが1週間ほど自宅作業になり、締め切り日が近づいたころになんとか出社してきたものの進行はすこぶる悪い。それに1週間の自宅作業はほとんど自宅療養だったといっていいだろう、遅れも相当なものになっていた。他の編集部員にも、もちろん俺にも余裕はまったくない。そこで立てた作戦はこうだ。比較的進行の...
続きを見る10月16日。本来ならもう発売しているはずであったこの本の制作によって遅れるであろう既存の仕事を前々から組んでいたのは、スーパーハイパービジネスマン(なんだ?)としては当たり前。キャンセルのできるものはなんとかしたが、この日ばかりはどうにもならなかった。後ろ髪を引っこ抜かれそうになりながらも、編集部に指示を出し新幹線に乗り込んだ。チェックしなけれ...
続きを見るそうやって原稿やデザインのチェックをしながらも自分の原稿もまだ残っている。とはいえ、一応はすべて上がってもいるのだけれど。これは編集長の特権かも知れないが、全体の進行を把握しながらギリギリまで引っ張れる。パソコンを立ち上げる度に書き上がった原稿に修正を加え、上書きしていく。日々、少しずつ滑らかになっていく。コイツがまた楽しい。だが、全体の進行が第...
続きを見る極論すればどこまで素振りを繰り返しても自分にとって満足いくものなんか作れないのだろう。でもね、だから作るんだもの。あー、変態。実力不足も否めないところは悲しいがしかし、それをカバーするのが粘りだ。常々言い聞かせている。「一流の人の手を抜いた仕事より、三流でも粘り抜いた仕事の方が絶対に光る」と。あきらめないで少しでもよくなるように指示を出し続ける。...
続きを見る遅れに遅れたが、14日のママインタビューですべての取材を終了した。後は編集部に缶詰になり、ひたすら仕上げにかかる。ここで重要なのは“粘り”だ。ライターや編集部員からあがった原稿やデザイナーからあがってきたレイアウトをチェックして大小の直しを指示していく。よりよい指示を出すために、日頃の素振りは欠かさないつもりではいる。いい雑誌をつねに研究して、雑...
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ママの口からは、我々40年男が深く頷けるいい話も飛びだした。 「よく飲み、よく食べるということは、重要な男の魅力のひとつですよ」うんうん、そうだよ。明日のことを飲んでる席で口にするヤツも多いものなあ。俺、アレを聞くとげんなりする。尊敬する先輩で、酒の席で必ず「明日有給取ったから」と言う方がいる。もちろんそんなわけなく、俺なんかより早く始業している...
続きを見る銀座のママへの取材がスタートした。作家の中部さんがママから話を聞き出してゆく。情けない話だが銀座で遊んだ経験は少ない…って言うまでもないか。極々たまに、羽振りのいい旦那様に連れてきてもらったがじゃあそこで再度遊べるかというと、んなの無理。異次元空間を象徴するような値段にその価値が見いだせない庶民なのだ。それを見透しているかのように、ママからは威勢...
続きを見る10月14日。中森明菜さんにふられて銀座のママに代役(?)をお願いしたことは、以前このコーナーで書いたとおり(こちらとこちら)。〆切まで押し詰まったこのタイミングでの取材となった。この日のメンバーは、藤岡さんのときにも撮ってもらったカメラマンの鈴木敏也さんとそのアシスタント、作家の中部博さんと俺の4人。我々にしてみれば大所帯だ。1人でカメラマン・編...
続きを見る「お支払いしますので、ラガブーリン本物でいってください」氷が溶けていくので、これも時間と戦うカットである(P162参照)。OK。余談ながらこの撮影の別カット、ぬぁんと高橋にP128で無断使用された(今度おごれよ)。機材を片づけてさて…。ここはバー。目の前にはラガブーリンのロック。ここはバー。高橋はのんべ。俺ものんべ。かんぱーい!!若干の罪悪感を最...
続きを見る続いてそのできたての丸氷を使って、ウイスキーロックを撮る。「本当にラガブーリンでやるんですか?」「へっ?」「いや、よそはよくウーロン茶とかで代用するので」「へっ?」信じがたい話を聞いてしまった。確かに味も香りも写真には写らない。でもそこは取材者のモラルというか、リアリティというか、なんつうか。そういった現場の空気が誌面からにじみ出てきて、感動を生...
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