昭和40年男のたわごと~創刊へのカウントダウン

雑誌創刊とは? 睡眠時間が極端に減り、ストレスで腹が減るから食いまくって太るという、恐ろしい仕事である。頭のなかでいつもうごめいていて、夜な夜な夢にうなされたりする。でもなぜか、ワクワクしちゃう自分がいたりもする。昭和40年男である編集長が、そんな第1号創刊への日々を振り返り、赤裸々にセルフレポートするこのコーナー。さあ、どうぞみなさん、笑ってやってください。

第77話 残酷な日々。(2)

2009 年 12 月 10 日 編集長 コメント募集中

 
極論すれば
どこまで素振りを繰り返しても
自分にとって満足いくものなんか作れないのだろう。
でもね、だから作るんだもの。
あー、変態。


実力不足も否めないところは悲しいが
しかし、それをカバーするのが粘りだ。
常々言い聞かせている。
「一流の人の手を抜いた仕事より、三流でも粘り抜いた仕事の方が絶対に光る」と。


あきらめないで少しでもよくなるように指示を出し続ける。
 「おーい、ちょっとここに一発カコミ入れよう。○○さんの広報にお願いして写真と資料提供を依頼してくれ」
 「ここ主旨と違うからさっ、書き直して」
 「タイトルの書体がちょっと柔らかすぎる。企画意図を理解できてないんだよ」
昔はここでバカヤローを連発していたのだが、
時代でないらしく反省を求められ、いつからか封印した。
そんな時代を懐かしく思う自分がしばらくいたが、
最近になってやっとそんな自分を戒めたりできるようになった。
懐かしく思う前に、自分自身にそうあれと。


とはいったものの、かなり強い口調で攻められていて、
出来る人間はバカヤロー寸前だけどね(笑)。
 

第76話 残酷な日々。(1)

2009 年 12 月 9 日 編集長 コメント募集中

 
遅れに遅れたが、14日のママインタビューですべての取材を終了した。
後は編集部に缶詰になり、ひたすら仕上げにかかる。


ここで重要なのは“粘り”だ。
ライターや編集部員からあがった原稿や
デザイナーからあがってきたレイアウトをチェックして
大小の直しを指示していく。


よりよい指示を出すために、日頃の素振りは欠かさないつもりではいる。
いい雑誌をつねに研究して、
雑誌に限らずいい表現全般にしがみついていくことなどだ。
多くの人間の熱を最大限引き出せるセンスと実力は
経験もさることながらこの素振りが非常に重要なのである。
あー、残酷。


“ダメダメジャン俺” と “しっかりしろ俺” と “さすがだぜ俺” が、
多重人格者となって自分にのしかかってくる。
 
 

第75話 呑んだあとはやっぱりラーメン。(3)

2009 年 12 月 8 日 編集長 コメント募集中

 
ママの口からは、
我々40年男が深く頷けるいい話も飛びだした。
 「よく飲み、よく食べるということは、重要な男の魅力のひとつですよ」
うんうん、そうだよ。
明日のことを飲んでる席で口にするヤツも多いものなあ。
俺、アレを聞くとげんなりする。


尊敬する先輩で、酒の席で必ず
「明日有給取ったから」
と言う方がいる。
もちろんそんなわけなく、俺なんかより早く始業している。
粋だなあと、いつもいい気分にさせられるのだ。


ママの話、もうサイコーなのよ。
キーワードだけ並べると
 「女性にもてたいと思ったら、下手に口説くよりも、黙って女性の話を聞いていればいいわけです」
 「40代中頃世代は、古き良き男性の文化を知っている最後の世代」
 「酔っぱらってすべて忘れてしまえばいい」
40年男の琴線にふれるキラキラした言葉がいくつも出てくる。
どう、読みたくなったでしょ?


ギンザのママ

ママの言葉は俺の琴線に触れるものばかりだった。 photo_ToshiyaSuzuki


第74話 呑んだあとはやっぱりラーメン。(2)

2009 年 12 月 7 日 編集長 コメント募集中

 
銀座のママへの取材がスタートした。
作家の中部さんがママから話を聞き出してゆく。


情けない話だが
銀座で遊んだ経験は少ない…って言うまでもないか。
極々たまに、羽振りのいい旦那様に連れてきてもらったが
じゃあそこで再度遊べるかというと、んなの無理。
異次元空間を象徴するような値段に
その価値が見いだせない庶民なのだ。


それを見透しているかのように、ママからは威勢のいい言葉が踊る。
 「銀座は粋を学ぶ男の道場」
 「名もなく、豊かに、格好よく」
なんだか小さくなってしまう。


さすが銀座の女である。
 

第73話 呑んだあとはやっぱりラーメン 。(1)

2009 年 12 月 6 日 編集長 コメント募集中


10月14日。
中森明菜さんにふられて
銀座のママに代役(?)をお願いしたことは、
以前このコーナーで書いたとおり(こちらこちら)。
〆切まで押し詰まったこのタイミングでの取材となった。


この日のメンバーは、
藤岡さんのときにも撮ってもらったカメラマンの鈴木敏也さんとそのアシスタント、
作家の中部博さんと俺の4人。
我々にしてみれば大所帯だ。
1人でカメラマン・編集・ライターの3役をこなすことだってあるんだからさ。


ゾロゾロ。
まだ夜の準備もスローペースの時間帯の銀座を
似つかわしくない4人がゆく。
ゾロゾロ。


約束の店に到着したがママ不在である。
この取材を仕込んでくれた中部さんが連絡を取ると、少々遅れるとのこと。
じゃあ茶でもするかとまたゾロゾロと移動。
うーん、この4人、しつこいようだが
銀座の街には似合わない。


テキトーな茶屋を見つけて、共通の話題を模索しながら話す。
ボクはみんなを知っている。
みんなはみんなを知らない。
こういう時間は、実におもしろい。
一生出会うことなかったかも知れない人同士を引き合わせて、
仕事以外の話題に興ずる。
人間同士がつながりを持っていく感じがいい。


しばらくするとママから連絡が入り、取材が始まった。

第72話 本日、カメラマンに変身。(3)

2009 年 12 月 5 日 編集長 コメント募集中

 
「お支払いしますので、ラガブーリン本物でいってください」
氷が溶けていくので、これも時間と戦うカットである(P162参照)。
OK。
余談ながらこの撮影の別カット、
ぬぁんと高橋にP128で無断使用された(今度おごれよ)。


機材を片づけてさて…。

ここはバー。

目の前にはラガブーリンのロック。

ここはバー。

高橋はのんべ。

俺ものんべ。



かんぱーい!!

若干の罪悪感を最高のうまさが消し去っていく。
久しぶりのアルコールは五臓六腑と疲れ果てた脳や、
原稿を書くためにフル活用している心に染み渡る。
「美味い美味い美味い」


結局27時まで、のんべ2人ははじけまくり帰社。
いつものとおり床に倒れ込んだ。
たまにはこんな時間を過ごすのも、
仕事効率を上げるテクニックなのさ。
なあ、高橋!!
 

第71話 本日、カメラマンに変身。(2)

2009 年 12 月 4 日 編集長 コメント募集中

 
続いてそのできたての丸氷を使って、ウイスキーロックを撮る。

「本当にラガブーリンでやるんですか?」
「へっ?」
「いや、よそはよくウーロン茶とかで代用するので」
「へっ?」

信じがたい話を聞いてしまった。
確かに味も香りも写真には写らない。
でもそこは取材者のモラルというか、リアリティというか、なんつうか。
そういった現場の空気が誌面からにじみ出てきて、感動を生むんでしょうが。


以前、バイク雑誌の取材で
キャンプというシチュエーションでの旅の記事をつくっていたときのこと。
外部スタッフの方に
「えっ、本当にテントで寝るんですか?」
と聞かれたことがある。
まあ、似たような話である。
 

第70話 本日、カメラマンに変身。(1)

2009 年 12 月 3 日 編集長 コメント募集中

 
10月10日。
赤坂のバーへと撮影に出かけた。
高橋が担当している“家呑みへの招待状”に使用するカットと、
俺のページ“今宵、ひとりのバーにて”のカットを撮る。


俺はカメラマンへと変身した。
なじみの女性バーテンダーに丸氷を作ってもらうシーンを、
獲物を狙う鷹のような目(ウソ)で狙う。
「じゃあ、お願いします」
ファインダー越しにみるみる角が取れていく見事なテクニックに感心しながらも、
シャッターを切りまくった(P128参照)。
OK。
 

第69話 セクシーなミニスカート。(2)

2009 年 12 月 2 日 編集長 コメント募集中

 
「初期のライダーで藤岡さんが中に入っている写真をお借りしたいです」
「あまり状態はよくないですが、ここから選んでください」

専用ビューワーの使い方をレクチャーしてもらい、選び始めた。
周りを見回すと、何台ものパソコンで同業者らしき人たちが同じ作業をしている。
情報の蓄積というのはこうしたものなんだなぁ。
感心しながらも1枚1枚写真を開いていく。
懐かしく、楽しい作業である。


かなりの枚数の中から今回使用した4点は、
ベストチョイスだという自負がある。
とくに怪人ものを、多数あるカットのなかから
このセクシーショットを選んだのはさすが!
スケベオヤジ全開なのである。

第68話 セクシーなミニスカート。(1)

2009 年 12 月 1 日 編集長 コメント募集中

 
10月9日。


この日の手帳には
「原稿最終」
の文字がある。
しかもケツにはご丁寧に”!”が2個も付いている。
本当に自分なりにはキチンと組み立てているんだなぁ。
ここからは全体のチェックに回ろうという気持ちがみなぎっている。


が、計画通りに行くわきゃーない。
まだ残っているし、
トラブル続きで手配が遅れていた
仮面ライダーの写真にやっとメドが付いた。
というわけで、この日は写真のセレクトである。


ここら辺を任せられる編集部員がいないことも、
全体の遅れの理由である。
当時の空気を知っている者が
選ぶことが重要となると、俺の出番となるのだ。
うー、原稿書きたい。
そんな気持ちを抑えつつ、
久しぶりに太陽の光をあびながら銀座の東映へと向かった。