キラー・カンさんが運ぶホッピー。

新宿にある『カンちゃん』なる居酒屋に出かけてきた。写真をご覧いただければ一目瞭然だろう、僕らにとってはカンちゃんなどと軽々しく呼べない、偉大なるプロレスラーのキラー・カンさんがやっているお店だ。かの立川談志師匠が愛した店の1つだとのことで、立川流真打ちの談慶さん(写真左)に連れて行ってもらったのだ。

カンさんは相撲取りからプロレスラーに転向し、いつからかモンゴリアンになり(笑)、引退して数年前からこの店を切り盛りしている。さすが元相撲取りの店だと納得のカンちゃん鍋は、具材たっぷりのいかにもスタミナの付きそうな鍋で、その他の料理もすべてひと手間入っていておいしい。なんとも居心地のよいいかにも居酒屋といった店内の雰囲気が、僕たち昭和40年男にはしっくりとくる。そしてなによりうれしいのは、カンさん本人がホールに出て店を切り盛りしていること。有名人の店の多くは名前だけのお飾りだけど、ここは違う。「すいませーん、ホッピーください」「はーい」と、あの巨体でホッピーが運ばれてくるのは、恐縮しきりである。

この日は立川談慶さんの呼びかけで集まったささやかな会で、3人の熱きタメ年男たちは大いに盛り上がった。談慶さんから紹介いただいた河本さんは(写真カンさんの左)、浦和でハンバーグとステーキのお店『然』を経営している。実業団野球を引退してほぼ同時に会社を辞め、修行の後に店を出して10年も頑張っているそうだ。談慶さんによるとここハンバーグは絶品で、家族総出でよく出かけるとのこと。一度お邪魔したいものだ。僕らとってハンバーグは特別なメニューだもの。バイト先で食べ方が似ているとハクション大魔王と呼ばれていた僕だから、ハンバーグがウマイと聞いてはよけいにほおってはおけない。きっとタメ年のハンバーグなんだろうなと、勝手な想像に胸が膨らんでいる。

この会は、談慶さんが真ん中に入って2人を合わせたいとの、極めてイージーなテーマで実現した。一気に意気投合して、約3時間の宴はあっという間にお開きとなってしまった。それにしても見ず知らずの男がタメ年というだけで盛り上がれるのは、なんともシンプルでよい。お互いラクな毎日じゃないが、前進するための汗を惜しまない、3人ともに前向きだから実に小気味よく会話が進んでいく。この日の3人の結論は、持つべきものは同郷とタメ年であるとなった。同じ時間の空気を吸っていたことは、本当に大きい。こうした楽しい時間を過ごすたびに、僕は『昭和40年男』の大成功のイメージを固めてしまうのだ(爆笑)。もうひとつ、この夜の重大なコンセンサスにもなったのが、昭和を懐かしむのはやめようとのこと。これは僕も誌面で叫んでいることで、懐かしんでいい時代だったねで終わってしまうような雑誌をつくっている気はまったくなく、あの日の元気からもう一度僕らがいくべき道を模索し、今こそ低迷する社会に刺激を与えるのだととつくり込んでいる。3人ともそのまま使命感に燃えていて、ホントに気持ちよかったよ。

こんなバカバカしい集いの舞台が、キラーカンさんの店というのはベストチョイスでしょ。でもね、何度運んできていただいても、緊張したままだったよ。

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6件のコメント

  1. 浦和の「然」さんの隣りに診断協会の埼玉県支部があり、「然」さんにも協会にもよく出入りしていました。本当に「然」さんは美味いです。最近は協会に行かなくなったので「然」さんから遠のいてしまいましたが、機会があれば是非行きたいです。本当に美味しいんですよ、おススメです。まさかこのブログで「然」さんが出てくるとは意外でした。編集長も私も店長さんとタメ年だったんですね。

    • おおっ、やはりウマイのですか。ますます行きたくなってきたぞ。

  2. 昭和40年男を発刊からずっと読ませていただいています。自分自信昭和40年生まれで2月が誕生日です。初めてコメントしますが、居酒屋カンちゃん何度も行ってます。キラーカンさんにも数回お会いしました。キラーカンさん新潟県出身でアンドレ・ザ・ジャイアントの足を折った豪快なレスラーですよね、自分も新潟在住です。東京にはよく行きますがあの店に行くと必ず鍋を注文します。その他には有名な尾崎豊さんの愛したカレーがおいしいですね。
     今度、イベントにも参加したいです。

    • 初コメントありがとうございます。東京に来たときにご一緒できたらうれしいですね。豚バラ好きです。

    • お店は浦和ですよ。同窓かもしれないですね。一緒に食べにいきましょう。

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