アシモ進化論。

昨日はホンダの発表会があり、埼玉県の和光にあるホンダ技術研究所へ出かけて来た。夕べのニュースではずいぶんと大きく取り上げられていたから、目にした方も多いことだろう、4年ぶりにアシモが格段に進化したお披露目だった。逆風ばかりが伝えられている最近のホンダだが、久しぶりに明るい話題である。

ホンダのロボット開発が始まったのは1986年とのことで、我々は21歳の頃で四半世紀の時が流れていることになる。紆余曲折を重ね、アシモと名付けられたロボットが登場したのが2000年のことだ。この間、ホンダにとってつらい時期もあったが、諦めることなく開発を続けたのはさすがチャレンジスピリットあふれる会社である。命名されたアシモの由来は、Advanced、Step in、Innovative、Mobilityの各頭文字を取り『ASIMO』となったそうだ。新しい時代へ進化したモビリティーを意味したとある。うーむ、なるほど。その後何年かごとに進化をカタチにして発表があり、今回は格段に大きな進化を遂げている。

まず運動特性として、走りがより本格的になった。2005年にアシモが初めて走った姿を見たときは、興奮と感動を味わったものだが、昨日はさらにスピードが上がりフォームがダイナミックになっていた。時速9㎞出るとのことだから、フルマラソンを4時間台で走れるスピードだ(笑)。しかもジャンプやケンケンもできるようになった姿は、カワイイデザインも手伝って微笑ましくも頼もしい。指がキチンと動くのもすばらしく、水筒のふたを開けて紙コップに注ぐというデリケートな感覚を持っている姿や、手話までも披露して会場をにぎわせた。

さらに今回は頭脳を持ったのだ。視覚と聴覚、触覚までも持ち、自ら判断して動く能力を備えたのである。障害物を判断して歩行したり、人の顔を認識したり、向かってくる来る人の方向を予知してよけたりと、かなり優秀な“脳”を持った。圧巻は同時に3人が発した言葉を聞き分けて、その言葉を誰が発したまでを復唱した場面だった。これは人間を越えている知能領域である。ここまで来たかと頷く場面がこの他にも多々あり、明るい気分になれた発表会だった。

あぶく銭でギトギトになった社会に辟易としていた昨今、どっこい正常進化であるこうした技術は健在なのだ。開発スピードを上げて日本の元気に貢献してくれ、なあ、アシモ!!

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