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【懐かしの名盤】レッド・ツェッペリン『Led Zeppelin2』(6)

2011 年 10 月 25 日 プロデューサー コメント

不定期連載記事『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』のレッド・ツェッペリン編の続きだ。この連載は、音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、各ミュージシャンから1枚、僕の独断でセレクトしていこうという企画で、悩み抜いて『Led Zeppelin2』に決定した。昭和40年男にとってレッド・ツェッペリンはみんなが大好きだったという存在ではないだろうが、ハマった人はとことんどこまでもいったのではないだろうか? 僕は完全にハマってしまい、『Led Zeppelin1』から『In Through The Out Door』まですべて買ったヘビーユーザーであり、CDの紙ジャケリリースでは、再びすべてそろえたほどの馬鹿だ。さんざん駄作と書き続けてきた『In Through The Out Door』もしっかりと購入しているのである。

 

ちょいと話はそれる。『Led Zeppelin1』は69年リリースだから、ずいぶん年上の方々の経験になるだろうが、リアルタイムでツェッペリンを感じたという幸せな先輩たちのストーリーはこんな感じではないか。――ビートルズやストーンズを聴いていたある日のこと、ラジオからの衝撃的なサウンドにノックアウトされ、即レコードショップに飛び込んで手に入れたファーストに針を落とすと、いきなりの『グッド・ダイムズ・バッド・タイムズ』で、雷が脳天に落ちたようなショックを受けた。夢中になって聴き進めていき『コミュニケイション・ブレイク・ダウン』で決定的に虜になった。格段に進化して、早くもひとつの完成を見たセカンドに驚愕のあまり震えて、サードで才能とか音楽的な知性を感じる。そして4作目に収められた『天国への階段』に、ロックってこんなスゴイ可能性を秘めていたんだと知らされて涙して、もうこれ以上のアルバムは無理だろうと思っていたら次々にスゴイのを届けられる。ヘビーでタイトになった『Presence』で『アキレス最後の闘い』という『天国への階段』と双璧をなす名曲に出会った。さらに、ライブ映画『永遠の詩』が届けられ、来日公演を観た幸せな者たちは再び涙して、行けなかった者たちは神に感謝した――

 

こうしてツェッペリンは永遠に進化するのだと信じていたところに、大異変のごとく投げ込まれた『In Through The Out Door』で受けたファンのショックやいかに? 失意の中にいたロックファンに追い打ちをかけた訃報が届き、知り尽くしていたファンにはジョン・ボーナムの代わりが世界のどこにもにいないことをわかっていたから、命日である9月24日にレッド・ツェッペリンが歴史にピリオドを打ったと一度は諦めた。だがやがて、代役報道が加熱してくるとわずかながらの期待を持ったが、1980年の12月に正式発表があり、やはりそうだよなと心にぽっかりと穴があいてしまっていた。さらに追い打ちのごとく、ジョン・レノンが銃弾に倒れたとの悲しい知らせが入る。今回、ツェッペリンについて書いてきて思う、あまりにもよくできたストーリーは、このシリーズの第2話と第3話で詳しく書いたように、偶然とは思えないほどドラマチックである。

 

そして僕のツェッペリン考察はいつもここに至ってしまう。なぜ『In Through The Out Door』を出したのか? ジミー・ペイジがこのアルバムをツェッペリンの作品として認めるとは、到底思えないのである。駄作としてきたが、どちらかというと不可解作なのである。ロックシーンがビジネスとして肥大化しすぎて、ブレーキがかからなかったのか? 『Led Zeppelin4』で、ジャケットに文字を一切入れたくないと、レコード会社と徹底抗戦して意思を貫いたツェッペリンであるのに、それは考えづらい。

 

ジョン・ボーナムが亡くなった当時、ジミー・ペイジが黒魔術を使って呪い殺したとの、およそ現代的でない文字が音楽専門誌に踊った。こんな噂が活字になるほど、メンバー間の不協和音は周知のことだった。それはジミー・ペイジの主張が炸裂した『Presence』によるものであり、さらにその後にロバート・プラントの子供が病死したことで活動が鈍化したことも見逃せない。そんなモチベーションの低下している最中に、ロックシーンは激変してしまった。やっと重い腰を上げた王者の作品が、『In Through The Out Door』だったのは事実なのである。様々な推測をしながら聴くと、謎解きを迫られるようである。

 

このアルバムラストに収められた『アイム・ゴナ・クロール』を聴くと、まるでボーカリストであるロバート・プラントのソロ作品である。すばらしい歌唱である。それは、王者のラストアルバムの最終曲が、崩壊を象徴していることにもなる。バンドとしてのあの一体感は、2度と取り戻されることはなかった。続く

 

  

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