アメリカ国債格下げ。

アメリカの債務限度引き上げ問題が一応の決着を付けたと思いきや、数日を経てついに国債の格付けが下げられてしまった。週末の夜の発表は、大変な不気味さで今という時間を刻んでいるよね。アメリカに限ったことでなく、日本では介入虚しくますますの円高進行は免れないだろうし、ユーロ圏の混乱も想像に容易い。大きく傷ついたうえ、政治機能が低下している日本にとって週明けはいったいどんな混乱となるのだろうか?

為替を考えさせられた実体験は決して豊富なものでないが、人民元とウォン、ユーロには驚愕した覚えがある。中国での円換算買い物の楽しいことったらなかった。広州3大レストランと呼ばれる店に、清水の舞台から飛び荒れる気分で入ったとき、2人での目一杯の飲食は計6,000円に満たなかった。ツバメの巣やらフカヒレやらまで食べたのにだよ。食は広州にありといわれる味は素晴らしく、本当に大満足だった。上海でもトイレから出てくると人が待機していておしぼりを出してくれるような高級店で、フカヒレまで食べても3000円ちょっとの会計で済んだ。現在、僕が行った当時よりは物価が上がっているそうだが、いずれにせよ円そのものが大金である。

韓国でもものすごくリッチだった。やはり高級レストランに行くと感じるね。もっとも、韓国料理は中華に比べるとあまり高級食材をガンガン使ったようなものが少ないから、中国ほどのお値打ち観は感じなかったが、僕の少ないお小遣いが大金に変わったことは違いない。大満足じゃった。

イタリアのミラノに行ったときは、当時のユーロにビックリさせられた。僕が行ったのは4年前で、1ユーロ160円を超えていたからなにを買っても高かった。せっかくイタリアに来たのだからシャツや靴を買おうと思って専門店に入ったら、とてもじゃないが買えない。モーターショーの取材で、会場のうまくないランチで2,000円を超えてしまう。現在のレートである110円台で、ちょうど日本の物価と同じ感覚で買い物や飲食が出来るんじゃないかな。

こういった実体験に基づいた感覚でいくと、為替というのは実に奇妙なものである。だが、世界経済は投機によって成り立っているから、実際の価値なんかもう無いに等しいのかもしれない。いいクルマや電気製品を輸出して、利ざやを得ることでの為替影響なんか、ホンの微々たるものなんだね。先進国を中心とした、世界的な先送り投機型経済スキームの崩壊が、リーマンショックから加速して、昨日もう一段ギアが入ってしまったということで、この週末は不気味にクラッチがつながっていく時間といったところだろう。今年に入って、1ドル60円なんて語る先生もいたが、そうならないことをせめて祈るだけの時間でもある。

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