隅田川花火大会が…

東京下町、浅草の夏の風物詩といえばなんてったって隅田川花火大会だ。だがバイクの仕事をするようになって、やがて鈴鹿8時間耐久取材がマストになってからというもの、この花火とは縁がなくなった。7月の最終土曜日に行なわれる花火大会と同じく、最終土日で開催されるのが鈴鹿8耐なのである。そりゃーね、鈴鹿だって花火は上がるよ。レースが終わった後にあがるのはそれはそれは感動的なんす。でも単純に花火としての価値とか球数が及ばないのはいうまでもない。そこでいつも楽しみにしていたのが地元で行なわれる花火大会で、球数は3000発と隅田川とは比べ物にならないものの、土手に広く陣取って酒を呑みながらじっくりと楽しめる。こいつを隅田川の代用にしていた。が、今年は中止となってしまった。自粛というよりは、どうやらスポンサーの方に震災の影響が出てしまったようで、今年は寂しい夏になるなと思っていた。するとぬぁんと、隅田川の花火大会が開催されるというじゃないのっ!! ヤッターと喜び日程を聞くと、8月の最終土曜日とのことだ。しばしの悔しい沈黙を経て僕は叫んだのだった。「行けるわけねーだろ、〆切だよっ」。次々号の話であるのだから、今から準備万端にすりゃーいいとお考えの方もいるでしょうが、そううまくはいかないんだよな。次から次へと雑誌全体を進める作業に加えて、自分自身が担当した原稿なんかが重なって、ニッチもサッチもどうにもブルドック(古っ)な時期であることは間違いない。そしてさらに…。

〆切の時期は酒を呑まない。禁欲によって感覚を追い込んでいくがごとく、そうしている。加えて絶食したりもすることもある。高校時代からそうなんだよね。何かを我慢して表現爆発のエネルギーにする。じゃあ呑まないで花火だけを楽しめばいいというご意見もあるでしょうが、それは無理な注文っす。花火というのは酒とセットになっているのっ。お祭りと一緒っすね。

考えてみると、僕の人生はこうやって酒で損していることがたくさんあるわけですな。呑めないなら行かない、やりたくないってね。海水浴とか花見とかがいい例だね。我慢している自分がバカバカしくなって楽しめないから、はじめからその場へは行かないという選択をする。あぶさんがビッグコミックオリジナル最新号で、酒によりかかって生きている人間とかいう表現をしていたと記憶しているが、まさにそんな生き方ですな。午前0時に〆切を終えて、次の日はたまった仕事を朝一からという状況でもじっくりと呑む。こういった節目に酒はなくてはならないのである。友にいいことがあったら酌み交わし、どうしようもなくつらい時はひとりでじっくり呑む。ねっ、呑んべえ万歳!!

…ってなんの話でしたっけ。そうそう、隅田川の花火を見ながら、ああ、あいつは今頃戦っているんだなと思い出してもらえたら最高っす。

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