【S40News!】自然のなかでの幼児教育とは。

お山の幼稚園で育つ
『お山の幼稚園で育つ』 著者:山下太郎/発行:世界思想社/発売:4月10日予定/価格:1,400円(+税)

先月、タメ年作家・佐川光晴による書籍『おいしい育児』をこのブログで紹介したが、それと同じこどものみらい叢書シリーズの第2弾となる『お山の幼稚園で育つ』(山下太郎著)が4月10日に世界思想社より発売予定となっている。

同シリーズは「子供の未来を考える」をテーマにしたもので、本書の著者である山下太郎は、京都市左京区にある北白川幼稚園の三代目園長だ。園舎は小高い山の上にあり、別名「お山の幼稚園」と呼ばれている。自然環境を生かした取り組みはとてもユニークで、毎朝200段近い石段を子供たちが歩いて登園し、山の中を駆けまわり、思い思いにのびのびと過ごしているそうだ。本書は、ここでのさまざまな取り組みについてまとめたエッセイである。

山下は、大学で12年間教鞭をとった後、「幼児教育は教育の根っこである」という信念のもと園長となった。幼児期は五感、好奇心、自己肯定感、仲間への信頼を養う大切な時期。本書では、日々の幼児教育の一端を綴り、幼児期の子供たちにとって大切なことは何か、大人には何ができるか助言している。

昨今、子供のためだとついつい過保護になりがちで、親子共に疲弊してしまうケースが増えている。子供の無限の可能性を信じ、ひとりの人間として尊重することが大切だというメッセージは、子育て世代の母親や父親へのエールとなるだろう。子供たちが大人になって、これからは彼らの子育てをサポートしていく立場にある昭和40年男はもちろんのこと、子供をもたないという人にも、関係ないと言わず読んでもらいたい。なぜなら、本書は親のための本ではなく、大人のための本だからだ。子供は常に周りを見ていると気づかされる一冊だ。

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