レーサー 高橋 巧。

先週末の台風接近の中で行なわれた『Love the Earth ミーティング』。ここに参加してくれた高橋巧選手のことは当ブログでも触れたが、素晴らしいゲストだったのであらためて紹介したい。

長くなるけれど、僕が推し進めている『Love the Earth』の考え方とは、普段バイクに乗ることで地球にインパクトを与えているライダーだから、その分よりチョットだけ多くの環境愛護を心がけよう、というものである。普段の暮らしの中で心がけたり、バイクで出かけた先で1つでもゴミを拾って帰ってくるとか、そんな小さなものでいいから、全国のライダーみんなの心がけになれば何かが変わるんじゃないと声を上げているのだ。そして年に2回、1ヶ所に集ってイベント形式で世界に繋がる海をキレイにしようと清掃を行ない、その後は、せっかく集まったのだから、みんなで楽しんでしまう。午前中に海岸清掃、午後はバイクイベントといった具合である。賛同するバイクメーカー各社は予算を投じて、バイクにまたがれるコーナーを作ってくれたりする。また、環境団体への寄付を目的としたチャリティオークションに物品を提供してもくれる。さらに地元の物産コーナーや飲食コーナーなども出店するので、参加者は楽しくのんびり1日を過ごせる。

会場ではステージイベントも開催している。その目玉の1つがゲストを迎えてのトークショーで、ここに今回も来てくれたのが、高橋巧選手なのだ。21歳である彼は、3年前に250ccクラスで日本チャンピオンになり、一昨年に国内トップカテゴリーへと昇格した。1年目はランキング8位で、去年は3位にまで登り詰めているから、日本で一番速い男まで邪魔者はあと2人というところにいるスゴイ選手なのだ。しかもこの年齢だからノビしろはまだまだある。当然、世界を視野に入れてがんばっているところだ。

『Love the Earth ミーティング』へのゲスト参加は3回目である。初めて来てくれたときはまだ250ccクラスに参戦中の高校生だった。ステージイベントでは部活の話などの学生生活に話が及んだ。闘争心のようなものを微塵も感じさせない、本当にカワイイ高校生だった。次に彼と会ったのは、昭和40年男なら知るものも多いだろうバイクレース、鈴鹿8時間耐久レースの記者会見だった。彼は初出場時と2回目で3位の成績を収め、去年は表彰台のトップに立った。3度の8耐参戦で、100%表彰台に上がっている。そんな輝かしい戦歴を持つ素晴らしいライダーである。

前日入りして、我々の宴につき合って、酒を呑まないのに2次会にも付いてきてくれた。なんとも今どきの21歳と思えない律儀な男である。それは翌日の海岸清掃での行動にも溢れ出た。雨と強風の中、もくもくと時間いっぱいゴミを拾う。レースの世界は言うまでもなく勝負の世界であり、1つでも前に出るために命をかけて走る世界だ。彼からはとてもそんな激しい世界にいることを想像させない。だが僕はサーキットで前へ前へと駆ける彼を知っている。ファインダー越しに“戦う男”に変身した彼を追いかけているのだ。人生半分以下の男ながら、なんともカッチョイイものよ。

イベントを終え「次に合うのは8耐の優勝記者会見だね」と言葉をかけると「ハイ」と元気に答える21歳だった。この夏の取材が楽しみである。

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