ブライアン・メイへの憧れ。

手前味噌な話、今回の『昭和40年男』は大好きな仕上がりである。多くの気になる男たちを取り上げていて、読み込むたびにそれぞれに憧れを抱く。僕がギターを始めたのはそもそもそんな気になる男になりたかったのだ。キースやチャボさんのようにギンギラのヴォーカリストの横でニヒルにギターを弾いている存在の、多くのギタリストに憧れた。が、いつの間にか自分がギンギラの方に回ってしまい、憧れは憧れのまま凍結したのだ(泣)。

中坊の時に洋楽に目覚め、バンドモノを中心にむさぼりつくように聞いた。生まれて初めて自分の小遣いで買ったアルバムがクイーンの『ジャズ』で、次に手に入れたアルバムが『オペラ座の夜』だった。それこそ盤の溝がなくなっちまうんじゃないかというほど聞き込んだ。特に『オペラ座の夜』でのブライアンのギターに惚れ込んで、エレキが買えない中坊は、やっと手に入れたアコギの太いギター弦に四苦八苦しながら『ボヘミアン・ラプソディ』を懸命に練習した。僕にとって、ロックの素晴らしさに誘ってくれたのはクイーンであり、ギタークレイジーへと誘ったのはブライアンだった。その彼が今回1ページながら登場しているのだから人生とはララである。

『オペラ座の夜』B1の『予言者の唄』がブライアンのペンによる曲だ。『ボヘミアン・ラプソディ』よりも長い8分以上の大作に当初の僕はこの世で最高の楽曲だと狂喜した。『’39』もブライアンによる名曲で、同じくたいそう惚れ込んだのだった。フレディの曲がクイーンのスーパーエースなのは認める。がどっこい、ブライアンには彼らしいヘビィな曲やかっこいいリフもの、ギタリストらしいメロディの曲が燦然と光る。今や高校野球の応援ソングの定番『ウィ・ウィル・ロック・ユー』も彼のペンによるものだ。

クイーンファンの評価が高い『クイーンII』は、A面をホワイトクイーンサイド、B面をブラッククイーンサイドとしてほぼ2人の対決になっている。B面の方が圧倒的なミラクルを誇るが、A面も十分すごい。フレディのソングライティングが変態なだけである(笑)。中坊の僕はブライアンをそんな風に擁護しながら、やはりニヒルな存在に憧れながらギターの練習に励んだ。今でもそんな存在になりたいなんて願望があるのだが、いまさら無理だな。今回の特集はそんな自分とは違うキャラ達が光っていて、だから無い物ねだりで大好きなんですな。

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2件のコメント

  1. 昨日伝え忘れました、俺も久しぶりに大好きな人間臭い「昭和40年男」です(^^)
    堪能してますよ(^^ゞ

    • ありがとうございます。人間くさいっていいですよね。

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