乗り物の顔の不思議。

九州新幹線にはこんな顔をした車両がある。乗り物にとって顔は重要な要素で新幹線の顔というと初代新幹線に愛着が強い。今考えるとかわいい顔だか出た頃は超特急を名乗り、親しんだL特急に比べて先進を感じさせた。その後、精悍な顔やちょっとユニークな顔などと付き合っているが、昭和40年男にとっては初代が最もしっくりとくる新幹線の顔である。

写真のこいつは、ちょっと初代の愛らしさがあるじゃないか。親しみやすい顔の車両に乗り込むと、木を使った和テイストなシートがよい。客席も温もりがあって、いつも世話になる東海道新幹線とはまるで違った雰囲気で、仕事だってのに旅行気分を味わえる。九州に出かけたらぜひ楽しんでみてくれ。

電車に限らず、クルマや僕が世話になっているバイクの世界でもデザインは重要で、昨今その重要度は増すばかりだ。性能だったり新しい技術の投入によって、大きな差異が生まれづらくなったからだ。僕はバイクの国内4メーカーのデザイナーたちと懇意にさせてもらっていて、酒を呑んでいると苦労話は尽きない。あるメーカーのデザイナーにクラブに連れて行ってもらった。その方が懇意にしているホステスさんを横にして「今回の〇〇○の顔はこの娘のお尻形なんだよ」なんて言っていたデザイナーがいるが、どのメーカーの方かは絶対に言わない(笑)。

電車やクルマ、バイクの顔に強く感情移入するのはその激変を多く見てきたからだろう。技術の発展によって顔もガラリと変わり、最初は抵抗感を持ったりするもののだんだんと慣れてきて惚れるなんてのも多く体験している。初代新幹線が夢の超特急だったのももはや我々にはノスタルジックであり、だからこの九州新幹線に僕の心は躍ったのだろう。

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2件のコメント

  1. 800系のデザインコンセプトはウサギらしいです。デザイナー水戸岡鋭治の傑作です。

    • ウサギちゃんなんですね、どうりでカワイイ。情報ありがとうございます。

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