オリコンのナンバーワンを集めたら大ヒット!?

音楽パッケージが売れない。雑誌や書籍も下がる一方だが、すべてがダメなわけじゃない。きっと最新号は売れまくっている(と願う)。去年の秋にリリースされたこのコンピも好調を続けているそうだ。

オリコンとは同世代諸氏にはどんなイメージがあるだろう。ローカルネタになってしまうが、僕にとってピンとくるのは70年代にナウの重要性を植え付けてくれたTV番組『ぎんざNOW!』に登場していた小池社長の存在だ。社長っぽくないルックスは番組名が言い切っているように“NOW!”だった。不思議な魅力を感じながら、オリコンチャートってのは信憑性があるのだと擦り込まれた。そのオリコンの洋楽部門で1位を獲得した曲ばかりを集めて、70・80・90年代それぞれを2枚組でパッケージしたのが『ナンバーワンORICONヒッツ』だ。

これがすこぶる便利なタイトルで、僕の脆弱なオーディオセットのCDプレイヤーの上には、入手以来1年以上に渡って置きっぱなしになっている。音楽ってのは歌詞カードを眺めながら集中して聴きたいときと、なんとなく流れていてほしいときとがある。なんとなくのときに、時代をセレクトしてターンテーブルに載せて針を落とす…、じゃなかったプッシュプレイだ。僕ら世代だとやはり80年代、もしくは70年代となるだろうが、意外と90年代を好んでかける日が多い。次々に飛び出してくるヒットチューンに結局集中してしまって歌詞カードを眺めてしまうなんて夜も多く、ともかく楽しませてもらっている便利なタイトルだ。

それぞれを眺めてみる。まず僕らアナログ世代にはA面ド頭にあたる1枚目の冒頭はそれぞれアース・ウィンド&ファイヤーの『宇宙のファンタジー』、マイケル・ジャクソンの『BAD』、ジャミロクワイの『ヴァーチャル・インサニティ』となる。そしてBラスとなる2枚目のケツにはオリビア・ニュートン・ジョンの『カントリー・ロード』、ワムの『ラスト・クリスマス』、ホイットニー・ヒューストンの『オールウェイズ・ラブ・ユー』ってな具合だ。これだけで時代がクッキリ出る。

そしてさらに時代を感じさせるのは邦題文化の崩壊(!?)だろう。タイトルに日本語が入っている曲が80年代では7曲、90年代では5曲なのに対して70年代では36曲中に18曲もある。そう、かつての洋楽は秀逸な邦題であふれていた。ちなみに僕がこの3タイトルの収録曲からベスト邦題を選ぶとボーイズ・タウン・ギャングの『君の瞳に恋してる』だ。『Can’t Take My Eyes Off You(瞳をそらすことができない)』が、なんとも日本情緒あふれるタイトルに変身しているじゃないか。なんてことを楽しめるからこのシリーズがヒットしたんだな(笑)。

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2件のコメント

  1. こういうアイテムは実は同窓会のBGMとしても、大変重宝するんですよね。
    そんなキャッチコピーをつければ、毎年キャンペーンできそう(笑)。

    • そうですね。ソニーに教えてあげてください(笑)。

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