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駅弁とおっさん。

2016 年 6 月 24 日 プロデューサー コメント

IMG_3517昔々、家族旅行でのこと。列車の窓から弁当とお茶を親父が買ってくれた。千葉への旅行でのことで、それはそれは興奮した出来事だった。食にまつわる想い出ってのは深く強い。これは、昭和40年男の幼少時は今に比べて貧しかったからだろう。外食なんてパラダイスな時間を、今では普通に捻出している家庭が多い。回っているとはいえ握りたての寿司を子供が腹一杯食えるなんて考えられない時代を生きてきた俺たちだ。今よりずっと貧しい時代の家族旅行は、今の子供たちに比べると幸せ指数が大きい。我が家では家族旅行は年に1度の夏のビッグイベントで、海へ山へと出かけては両親による工夫を凝らした旅程を喜んだものだ。

 

 

弁当を買ってくれたものの、走り出すまでヒモを解くことを我慢するようにと言う親父だった。のんびりとした列車はなかなか走り出さず、その分だけワクワク気分が長かったから強い想い出になっている。鳴り出したベルの音までが鮮やかな記憶である。そしてふたを開けた瞬間の感動は大きかった。と、そんなことを想い出した昨日よりの出張ある。

 

 

IMG_3518アレコレと物色して久しぶりに幕の内弁当を買った。残念ながらポリ容器に入ったお茶はなかったから、風情のないペットボトルだ。おにぎりは大食おっさんには必要な追加オーダーである。たくさんの添加物表示は気持ちいいものではないが、ふたを開けるとそんなものを凌駕する美しさだった。こいつは海外からのお客様に胸を張れるなとうれしくなった。ご先祖さまより受け継いだ箱庭文化のおかげかと感じさせてくれた。と同時に、親父が演出したエンターテイメントを思い出し、動き出した車窓を眺めながらいつになくゆっくりとした食事を楽しんだのだった。

 

 

貧しさゆえに幸せがあった。あっ、誰かの歌でさみしさゆえに愛が芽生えなんて名フレーズがあったがそんなものですな。欲深い話かもしれないが、もっといいものを食いたい気持ちはまだ持ち続けているおっさんである。頑張って仕事せねばなと出張に気合いを入れたのだった。

 

 

 

 

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