ああ、レバ刺し。

げーっ、そうだったの? 大好きなレバ刺しもだめだったの? 朝のワイドショーを見ていると、今まであたりまえだと思っていたことが、ガラガラと崩れ落ちていくのだった。確かに菌が生の食材の表面に付着するのは、知識としてあった。知識と日常のギャップだね。朝の番組で語っていた専門家の方も、自らこれまでは食べていたと苦笑していた。覆面でいつかこうなると思っていたみたいなことを喋っていた関係者は、なんだかひどいなあ。高校生のときの衝撃的な出会い以来、30年近く愛してきたをしたレバ刺しが、焼肉屋や居酒屋から消えようとしているのだ。

牛肉に限ったことでなく、鳥なんかもガンガン生で食う。内臓の刺身も消えていくのだろうな。でもね、そもそも食材なんか雑菌の集合体のようなもので、スーパーに並んだ魚だって雑菌の温床みたいなものなのだろう。お腹が痛くなったり、壊したりというのは誰だって経験があるだろう。火を通さないリスクは野菜も含めて必ずあるわけだ。

つき合いの長さが大きいのではないか。そもそも日本人が牛肉を食べ始めた歴史なんか、魚に比べたら全然短いわけで、だから今回のような無理解が端を発して事件となってしまった。鯖は足が早いから塩や酢で締めるとか、わさびには殺菌効果があるとか、貝はそもそもビビリながら食べている(笑)。そういった背景がなく、韓国では当たり前のように食べているという輸入メニューであるのだ。あっちは牛肉のプロだから大丈夫と鵜呑みにしてしまった。だがどうやら、牛肉そのものに対する提供サイドでの知識レベルがちょっと低かったことは否めないのではないか。逆に海外が寿司ブームというが、生魚に対する知識レベルには日本とは大きな差があることだろう。

小さな頃、風邪をひいて熱を出して食欲が落ちたとき、寿司だったら食えると希望したところ、生ものなんかダメに決まっているとだろうと言われた記憶を掘り起こした。生ものは危険というベースがあったのだ。免疫力という観点でいけば正解で、昔の親は子供や爺ちゃん婆ちゃんに生ものは食べさせなかったのだ。だがそれは昔の話で、冷蔵環境や物流環境が昭和の頃より格段によくなり、生に対する意識は大きく変化した。僕らの子供のころにさんまの刺身が食卓に上るなんて、絶対に考えられなかったことだもの。それほどの激変を告げた中で、安心安全があたりまえのになった。回転寿司屋には小さな子供があふれている、安心安全だからである。店から出てくるものを、子供にもお年寄りにも安心して食べさせられるのは、むしろ誇れることだ。そんな素晴らしい飲食文化を維持していくために、提供サイドの努力が必要であることは言うまでもない。効率化ばかりを目指した、マニュアルに頼り切った調理体制が今回の事件の原因でないだろうか? 改善を求めたい。

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