ナインスコードの衝撃。

たち昭和40年男の幸せの一つに、音楽がその過去をぶっ壊すような高度成長 (!?) を、10代の頃にリアルタイムで感じられたことが挙げられる。昭和40年男が中坊の頃にビッグヒットを飛ばしたポリスはまさしく革新的なヤツらだった。

さて、ちょっとマニアックな話かもしれないけれど、楽器が全くわからない方にも伝わるように努力するんでお付き合いくださいませ。ギターをやってるヤツがよくコードがなんちゃらとかって口にする。3つ以上の音を鳴らすハーモニーのことだ。音楽ってヤツはメロディとリズム、そしてハーモニーで成り立つ。コードをギターでガチャガチャと鳴らせば、シンプルながらハーモニーとリズムは表現されていることになる。そこで歌えばメロディが乗ることになり、ほら立派な音楽だ。

中坊の頃にギターに憧れて手に入れたはいいものの、挫折したなんて話をよく聞く。その第一関門となるのが “F” というコードで、人差し指を寝かしてギターの弦6本を押さえてさらに残り3本も使う。練習を繰り返してもろくに鳴らない音とつりそうでプルプルする指を見て「こんなんできるわけねーじゃん」と、ギターは物置きに閉じ込められるのだ。ここを越えると次に待ち構えているのが3つ以上の音、第4・5・6の音を加えていく感じ。大ざっぱに言えばスパイスだ。中東っぽい音とか、ブルースっぽい音、緊張感があったり、ゆったりする音とか色々と効果効能がある。

大ヒット曲『孤独のメッセージ』がド頭に収録された名盤『白いレガッタ』
▲大ヒット曲「孤独のメッセージ」がド頭に収録された名盤『白いレガッタ』

はなんとか “F” の壁をクリアできた。そして少しは弾けるようになった頃にどえらい衝撃を受けたのがポリスの「孤独のメッセージ」だった。印象的なイントロはコードの4番目の音に仕掛けがある。それがナインスという音で、これを含んだコードをタイトルのように呼ぶ。ものすごくスパイシーな音で、緊張感があって独特の浮遊感みたいなのを演出できる。衝撃を受けて以来、この音を使って色々と遊んだ日々が懐かしい。

国内でもこの音をうまく使ったヒット曲が多くあり、大沢誉志幸さんの「そして僕は途方に暮れる」は実に効果的に取り込んでいる。二曲とも知っているならその効果はなんとなくつかめないか? って、なんでこんな唐突な音楽講座をやるのだろう。それは11日発売の vol.37 を待て (笑) 。
 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

4件のコメント

  1. ん〜マジで何言ってるか分からん。(何人かの代表)
    でも、こういう会話自体は大好き!(何人かの代弁)

    • ごめんなさい、何人かの方々にもよろしくお伝えください(笑)。

  2. 私は明和電機のナコード(魚コード)に衝撃を受けました!w

    まじめな話、ディミニッシュコードも衝撃だったような。

    • 同感です。ディミニッシュは僕も多大なる影響を受け、ちょくちょく採用しました。
      それとキース命の僕ですから、sus4は指癖です。

コメントは受け付けていません。