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12年前に首を吊った相棒。

2016 年 4 月 24 日 プロデューサー コメント

直樹の墓高2の時にヤツと僕はコンビになった。バンドで食うことを夢見ていた僕のポジションが、ギタリストからヴォーカリストへと変わり始め、うまいギター弾きが欲しくなりヤツを口説いた。高3からは同じ居酒屋でバイトをするようになり、その時間も含めると多くの時間を共有するようになった。音楽の話をしていると延々と終らず、酒を呑んでも話は尽きることない。やがて曲作りも始めるようになった。ヤツが持って来たギタリストならではのパーツにメロディと歌詞を付ける共同作業だ。互いに認め合い、高め合い、切磋琢磨した素晴らしい相棒だった。

バンド活動に終止符が打たれてあまり連絡を取ることがなくなり、それから10年と少しが過ぎた頃、当時のベーシストから珍しく職場に電話が入った。「直樹なんだけどさ…」で始まったその知らせはあまりにもひどいもので、しばらく飲み込めないまま心臓だけがバクバクしていた。

実はこの頃、ヤツともう一度一緒にプレイしたいと考えていた。ブクブクと太ってしまった体でロックはできないと減量に挑戦中だった。とりあえず2人でいいから始めようと、もう少しだけ体を絞れたら訪ねようと思っていたところだった。太った自分を責めた。太ってても会いにいけばよかったと責めたり、ありとあらゆる方向から自分を責めた。この直後の1ヵ月ほどは人生でもっとも酒の量が多かった時期かもしれない。

4月は命日月で、当時のドラマーと2人で墓参りに出かけた。墓の前にしゃがみ込んでビールを呑みながら何度もヤツの名をつぶやき、俺たちは“3人”で談笑した。そろそろ行くかと手を合わせるとやはり涙があふれてしまう。12年経っても消化できないのは、自分にできることがあったはずだとの後悔がいまだに強いからだ。自殺ってのは残った者にそんなつらい想いを植え付ける。今それを考えている同世代の方は多いと思う。僕ごときが軽々しいが、どうか考え直してほしい。

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