スティーブ・ルカサーの仕事集に感謝の想い。

IMG_3245トトのドラマー、ジェフ・ポーカロが参加した曲ばかりを集めたアルバムをこのブログで紹介したところ、同じくトトのギタリスト、スティーブ・ルカサーのバージョンもあると教えてくれた方がいて、さっそく入手した。

洋楽に夢中になった中坊の頃にトトを知った。♪ダ〜イヤトーン、ポップスベストテン♪のサウンドロゴに続いてシリア・ポールさんのステキなトークで始まる土曜日午後のFM放送は、雑誌『ミュージックライフ』と並んで最強の情報源だった。活字からは音の職人たちが集ったロックバンドといった印象でとらえ、『ホールド・ザ・ライン』や『愛する君に』がベストテンにランクインして好感を持った。ルカサー(ライナーにはルークと表記されているが、僕らはいつもこう呼んだ)はギタリストとしての評価が高く、ヤングギターやギターマガジンではちょくちょくそのプレイに関する記事が踊っていた。ギター小僧にとってトトは格好の教材でもあり、僕にとってなじみ深いミュージシャンの1人だ。

ポーカロバージョン同様、このコンピはバラエティに富んだ選曲が楽しい。トト結成のキッカケにもなったボズ・スキャッグスの仕事からは、名曲かつ名演奏の『ブレイクダウン・デッド・アヘッド』が当然のごとく入っている。ボズのバックは有名な話だから知っていたけど、意外と知らなかった演奏が多い。あらためてそのプレイを聴くと、なるほどルカサーだとニヤけてしまうのがこのアルバムの正しい楽しみ方だ(笑)。アース・ウインド&ファイヤーの演奏や、エリック・カルメンの『ユー・ニード・サム・ラヴィン』なんて久しぶりに聴き、50歳にしてルカサーのプレイだと知ったのだった(恥)。

本人によるライナーの冒頭が“この旅を始めてからもう40年近くになるけど、実にいろいろなことがあった。”との言葉だ。思わず唸ってしまうのは50歳にしてフラフラしているバカモノだからだろう。でも音楽に夢中になって、細々とだがプレイも続けてこられたのは、この言葉が当てはまるななんてちょっと酔ったりした。偉大なるミュージシャンたちが創意工夫にあふれて打ち込んでくれた曲の数々が、どれだけ10代の僕を成長させてくれただろう。それらには、2人が参加した名演が多く含まれているのだ。ルカサーとポーカロにもっともっと感謝せねばならぬ。そしてよくぞこれだけの仕事をこなしながらトトサウンドを創出したものだと、あらためてその天才っぷりと努力に敬意を表したのだった。

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