頑張れ、昭和の立ち食いそば屋。

中学時代に初めてその文化にふれた。都電三ノ輪駅にほど近い立ち食いそば屋によってそのうまさを知った。濃〜い味付けは衝撃的で、安さ(中坊の財布には軽くはなかったが)にも助けられ虜になり、以来立ち食いそばを30年以上に渡り愛している。が、昨今はチェーン化が進み、古くから頑張ってきた昭和の店が次々に駆逐されている。駅の中にも個性的な立ち食いそば屋が多かったのに、同じくさみしい状況に出くわすことばかりだ。会社の周囲には、同じブランドの店が3軒あったり、デカイ交差点の角に大チェーンさまがオープンさせたりと出店攻勢が続く。

立ち食いそばそんな逆風の中で、元気に営業している個人店を見つけると、応援したい気持ちでついのれんをくぐってしまう。このメニューはJR南武線平間駅前で奮闘を続ける立ち食いそば屋だ。立ち食いといっても座れるから、厳密にはなんと呼べばいいかわからんが(笑)、値段はチェーン店に十分対抗してる。朝から晩まで営業していて、ご覧のとおり定食や丼ものも充実している頼もしい店だ。ちょくちょく寄らせてもらっては古き良き“普通”の味に舌鼓を打つ。

少々汚くても、丼に指が入っていても、昭和の香りが漂う店の方が居心地がいい。そんなあまのじゃくなニーズは低くないようで、こうして奮闘を続ける店もあり、決して絶滅危惧種ってわけじゃない。赤いのれんの昔ながらの中華料理屋や縄のれんの居酒屋も同じような苦境と奮闘の狭間にいて、僕はこれらをチョイスするようにしている。微力ながら昭和の保護に取り組んでいるのだ(笑)。

同じ想いを持つ同世代の男たちは多い。呑み屋でそんな話になることも増えた。「普通がいいんだよ」とはよく交わされるセリフだ。昭和40年男たちよ。ともに救済活動を加速させようじゃないか。昭和のよき香りを絶やさぬように。

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