おっさんが愛する浅草の名店。

夜の雷門読者の集い『浅草秘密基地』を、その名のとおり浅草で運営している。この地は実家から近く幼少の頃より親しんだ街だ。店舗開発の仕事を請け負い、半年ほど勤めたこともある。その後『浅草秘密基地』の舞台にもなっているショットバー『FIGARO』のマスターと知り合い、もう20年以上通っていて、5年前から秘密基地の舞台となった。と、僕の人生に影響を与えた街の1つである。夜は昼とはうってかわって静かな街になるのは、観光地ならではのことだろう。遅くまで営業している飲食店が少ない。マスターは浅草っこだからこの地に店を開けたが、バーには不向な街だと常々言っている。

先日、浅草で昼前に打ち合わせが終わり、食事をとろうと昭和の名店へと向かった。観光客たちが行列を作っている店が多く、浅草通(!?)の僕には「えっ、なんでここに」と思うようなたいしたことのないところに列が出来ていたりする。観光客向けの情報ってのはアテにならないもので、期待して並んでいる方々はさぞがっかりするだろうなと気の毒になる。これでは僕が向かうそば屋はさぞすごいことになっているだろうと思いながら到着すると、行列どころかすんなりと入れた。店内は8割程度しか埋まっておらず、ゆったりと食事を楽しむことが出来た。ちなみにここのそばは太めでコシが強い手打ちで、汁もきりっとしてうまい。天ぷらのカウンターがさらしで、江戸らしい風体の職人さんが丁寧に揚げて供してくれる。夜に酒で世話になるときなんかは、サクッと軽めの天ぷらは最高のつまみになる。

十和田客層を眺めると年配の方ばかりで、地元の方と思える客が多い。これこそ名店の証じゃないか。昼間っから酒を楽しんでいる客も多く、隣の席の老夫婦はこれから行くお芝居の話題と天ぷらをつまみに昼酒を楽しんでいた。酒を呑めないことがつらい雰囲気の中で、ランチサービスのミニ天丼セット1,000円也を楽しんだ。

ここは僕にとってかなりランクの高いそば屋なのだが、ネットの評価が低いおかげですんなり入れたのかもしれん。ネットに書き込む方々の評価基準と僕のズレが大きいのか、僕の好む店は往々にして評価が低い。おっさんにとってパラダイスな店は、評価が低い傾向にあるように思う。そのおかげか客のおっさん化が進み、ますます居心地がよくなる(笑)。常連たちとおかみさんの会話も楽しく、おっさんならばきっと気に入るはずだ。昭和の名店をぜひお試しあれ。秘密基地へと向かう前の一杯にも最適ですぞ。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

2件のコメント

  1. お!いいですね、今度行ってみま〜す。
    これからも浅草通の秘密情報を期待してますよ〜。

    • ぜひ、僕の基準である「普通にうまいですよ」。浅草通はちょっと言い過ぎでした(笑)。

コメントは受け付けていません。