沢田研二こそダンディ。

昨日、男のカッコよさとかダンディズムについて書いた。
書き終えてからずっと頭の中をジングルしたのがジュリーの
『カサブランカダンディ』だ(笑)。

〜あんたの時代はよかった〜
ってさ、ジュリーほどのダンディにそう歌わせるほど『カサブランカ』の
ハンフリー・ボガードはダンディズムバシバシだった。
〜背中を向けて煙草を吸えば〜
ねっ、やっぱりタバコはカッコいい男のツールだったんだ。
〜男のやせ我慢粋に見えたよ〜
キャー、これだね!! 現代では通用しない歌詞かもしれないな。
だってね、やせ我慢に粋を感じられる人間がどれほどいるのだろう。
どちらかといったら現代人にはカッコ悪く取る人が多いのではないだろうか?
阿久悠さんすごいなあ、僕らの時代を見事に言い表しているもの。
僕たち昭和40年男はこんなすばらしい世界を子守唄(!?)にして育ったのだ。

やせ我慢とはダンディズムであるとすれば、究極ダンディは
寅さんですな。いや、やっぱり健さんですか。
いやいや、ひょっとしたら今に至った、郷ひろみかもしれない。
とにかくだ、最近のかわいいアイドルたちにやせ我慢を感じさせる“男”っていない。
やっぱり時代の流れってあるもので「男は黙ってサッポロビール」なんてコピーが、
世の男たちにズンと響いたわけだよ。うーん、いい時代だ。

僕が広告業界に入ったきっかけの1つである丸井のキャンペーンCM
「好きだから、あげる」(1980年)は、やっぱりそういう時代から移行していった
象徴を表している。その当時は僕自身も相当スイートな世界に気持ちが
いっていたのだろう。ちょっとカッコ悪いけど、そういう時代の風が吹いていたことを
一応言いわけにしておきますが。時代はバブルの風に乗りまくっていき、
やせ我慢なんかより言いたいことをまき散らすことの方が良しという空気に
変わってしまったのかもしれない。しゃべれる人がすごくて、それをたたく人たちが
たくさん出てきて、いつの間にか批判のための批判ばかりが争点になって、
どこが論点だかわからなくなってぐるぐる回っている。今はそんな時代ですな。

丸井のCMでは尾崎亜美さんの『FOR YOU』が流れていた(画像は同曲を含むアルバム『LITTLE FANTASY』)

寅さん、健さん、ジュリー、郷ひろみの名前を挙げたけれど、
名前をあげたい人はまだまだたくさんいる。とにかく、僕たちがお世話になった
男たちに共通しているのは、みんな男のやせ我慢を貫いていることかな。
寅さんは天国から今の時代を見てどう思うだろう?

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で