昭和40年男が大好きなバーゲン。

昭和40年男は、赤いカードでDCブランドの服を買いあさった。カードで一世を風靡した丸井は全国区ではなかったが、江戸っ子の僕らにとっては重要なトレンド発信基地だった。そして魔法のカードを手に入れれば気軽にローンが組めて借金まで出来てしまう。それまでの生活を激変させた百貨店であり、カードである。借金とは呼ばず “キャッシング” としたところに、金を調達している罪悪感は無くついつい余計に借りてしまい、借金地獄に苦しむ日々を強いられていたのだった。浅はかである。

当時の僕はロック小僧だったから、リーバイスのジーンズが制服だった。上野アメ横が主な洋服の入手場所で、同じく上野の聚楽そばにあったユニクロとは関係はないだろろうが、今考えるとよく似ているユニークなる安売り店でシャツを手に入れる。東京下町育ちのヤツにとって、渋谷の丸井は敷居が高くて入るのには少々の緊張感を伴ったのだ。だから普段はまず買い物で利用することはなく、バーゲン時だけ勇気を振り絞って出かけた。だってねえ、半額ですもの。永遠の金欠病だから当然クレジットを組み、キャッシングと合わせてまたまた地獄へと深く落ちるのを繰り返すバカモノだった。

そんな地獄への招待なのだが、バーゲンにはいつもワクワクしていた。これは今も変わらず、電車の中刷りにバーゲンの文字を見つけるとついつい誘われてしまう。〆切も乗り越えたところだし、先日出かけてきた。かつての丸井では透明の大きな袋にガンガン詰め込む姿を見かけたが、今はそんなことはない。みんなゆったりと落ち着いて買い物を楽しんでいる。

この夏のターゲットは、黒のタイトなパンツと品のないシャツだ。パンツは気に入ったものがすぐに見つかりゲット。シャツはこれというものがなく、丸井を後にしてZARAに出かけた。ここのバーゲンは3,980円や2,980円といった値段統一でシャツが多く並んでいて楽しい。シャツのカタチが僕のだらしない体をうまく隠してくれるのも気に入っていて、年に2回のバーゲンの度に必ず何枚か手に入れている。

写真 1-1

今回手に入れたのがこの2枚だ。これまで着たことのないような青と、まさに品の悪い柄シャツだ。こういった派手なものを最近好むようになったのはなぜだろう。かつては白や黒のシャツばかりを選び、色物や柄モノなんて見向きもしなかったのに、ドンドン趣味の悪い方へ向かっているように思う。加速気味に進行を続ける容姿の加齢に、せめてシャツで突っ張ろうとの意志が働いているのではないだろうか。50歳を迎えたらピンクのシャツに手を出すのではないか? それほどに嗜好の変化に勢いを感じている。若い女の子から見たら気持ち悪いかもしれないが、気にしないでいくぜ。
 

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3件のコメント

  1. おらの街では丸井も西武もダイエーもなくなちまった。w

    あるのは放射能。

  2. 安心してくれぃ!
    ヤザワも昨日、梅田阪急メンズ館のバーゲンで、ピンクのパンツ買っちゃいましたからぁ~。

    • オオサカ☆ヤザワさん、ありがとうございます。
      ピンクのパンツとはさすがですね。それをバシッと決めて大阪ミナミ秘密基地にお越しください。お待ちしてます。

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