昭和40年男の初体験。大相撲観戦レポート。

写真 3ずいぶんと人生を積み上げてきたのに、まだまだ知らない世界がたくさんある。できるだけ積極的にふれていきたいと、50歳が見えてきてそんな気持ちが一層強くなってきている。その一方で、古くから伝わる日本の伝統的な物事への興味が、年齢ごとに強くなっている。双方バッチリと相まって昨日出かけてきたのが両国国技館だ。大相撲夏場所の14日目を観戦してきたのだ。

クライアントでありながら、仕事や人生の師匠とも呼べる先輩と観戦することになったのは、たまたま呑みに出かけた店で相撲中継に出くわしたから。ここ近年興味を持っている僕に対して、相撲を知り尽くした先輩は取組ごとにその深さを教えてくれた。これが実に楽しい。生で一度見たいと思っていたところだから一緒に行こうと誘い、昨日がその日だった。

JR両国駅を降りるともうそこからお相撲一色で、人の波が国技館へと続いている。色とりどりの力士ののぼりが風に泳いでいて、雰囲気もバッチリ。今回はタメ年の相撲通の友人からのススメで、イスA席を取った。憧れの枡席は狭いとのことだったが、なるほど大人4人で座るにはかなり狭い。贅沢に2人で見る分にはいいだろうが、1人当たりコストを考えるとちょっと財布に厳しい。今回の席、8,500円も決して安くはないが、見やすくていい席だったぞ。

入場したのは2時前で、まだお客さんの入りは3割程度だ。まったく知らない力士たちの取り組みながら、その迫力に十分すぎる価値を感じながら見入っていた。少ないお客さんだが、こんな時間から入っているのだから、きっと相撲通の方々なのだろう、力強い声援が飛んでいる。撒く塩はなく、短い仕切りでテンポよく取組は進んでいき、やがて十両力士たちの登場となる。ここには知っている名前もチラホラあり、そしてさっきまでとのレベルの違いを知らされる。当たりの激しさや、腰の重さが雲泥の差なのだ。十分にすごさを味わいながら楽しんでいたのに、まるで前座だった。そしてこれからどんどん強い力士が登場していくのだ。どうなるんじゃと軽い思考パニックを楽しみながら、一番一番を味わった。ビールをチビチビと楽しみながら、その軽い酔いが興奮に拍車をかける。見に行ったら必ず一杯やりながら楽しみましょう。

午後4時近くになるといよいよ幕内力士たちが登場する。まずは力士たちの土俵入りと3横綱による土俵入りだ。横綱の美しい所作に心の底から感動がこみ上げてくる。この感覚が僕をますます日本伝統ファンにしていく。歌舞伎を初めて生で見た時の感動と同じで、歴史が練り上げた美しさに心が全体で喜んでいる。

気が付けば広い会場はお客さんでいっぱいになっていて、その興奮は一番一番あがっていく。声援がどんどん大きくなっていき、いい勝負には割れんばかりの拍手が送られる。僕も先輩も手が痛くなるほどの大きな拍手で一番一番を楽しんだ。ラッキーなことに昨日は引いたり変わったりする姑息な相撲が少なく、力と力がぶつかり合ういい取組が多かった。個人的に注目していた、豪栄道と遠藤はともに勝利。結びの日馬富士・稀勢の里戦は物言いのつく微妙な一番になったが、しっかりと前に出たことで稀勢の里が勝利を呼び込んだ。贔屓の力士たちがおおむね勝利して、これもまた満足だった。

結び後の弓取り式の美しさは、熱く激しい戦いの数々が繰り広げられてきたクロージングにふさわしい幕引きとなる。当然ながらこの後は相撲談義を楽しみながら痛飲した2人だった。タメ年のみなさん、少しでも興味があったら出かけてみることをおススメする。テレビでは絶対に味わえない興奮があり、体験することできっとテレビ観戦も変わると思う。ロックのライブとまた違った興奮ながら、やはりライブはライブ、いいものだ。取組だけでなく、相撲全体を俯瞰して心に取り入れることで、日本人とは何たるかをきっと感じることだろう。ああ、また行きたい!!

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2件のコメント

  1. それでは来週は日本ダービー観戦にお出で下さい。何の便宜も図れませんが・・・。

    • 日本ダービーかあ、いいですね。残念ながらイベント仕事が入っているので、来年は狙ってみようと思っています。その時は、会場とレースの楽しみ方を伝授してください。

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