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奥田民生さんの『拳を天につき上げろ』。

2014 年 3 月 23 日 プロデューサー コメント

奥田民生お正月のお楽しみの1つ『箱根駅伝』。酒をかっくらいながら若者たちの懸命の走りに声援を送る。そしてこの放送で毎年楽しませてくれるのが、メインスポンサーであるサッポロの新作CMだ。今年もすばらしく、CMとしては長い2分間の力作は、自分たちでビヤホールを作るというストーリー仕立てのもので、大勢で楽しそうに組み上げていく。このバックに流れている曲が奥田民生さんの『拳を天につき上げろ』だ。サビに入る直前にはほぼビヤホールが完成して、マーシャルのギターアンプがホールに運び込まれる。ここで民生さんがライブ演奏するカタチで登場してサビの♪カンパーイ 拳を突き上げて♪に繋がるのだ。涙が出そうになる(いや、実は出た…)ほどカッコよく、そして楽しいCMだった。もうひとつ言えば、滝川クリステルさんが美しすぎる(笑)。

この曲が収録されたアルバム『O.T. Come Home』を聴いた。最近の僕にとってパワープレイアルバムである。民生さんはタメ年だから、聴けばいつも強い共感を持つ。センスのバックボーンにはきっと共通の要素や原風景があって、それが見つかる瞬間も楽しみだったりするのだ。

今回のアルバムは、楽器のすべてを自身の演奏で録ったとのことで、ドラムに苦労されたと本人は語っているが、いやいや楽しいビートが続く。民生さんてこういうビートが信条なのかと、また1つ理解を深めた気分を勝手に楽しんでいる僕だ。ベースもセンスがよく、いなたいギターも健在で、全編すばらしい。まさしく民生さんワールドが炸裂しているから、彼の世界が好みの方だったら間違いなく満足することを約束しよう。ましてやタメ年だったらニヤニヤしっぱなしで楽しめるぞ。

『拳を天につき上げろ』はアルバムラストを飾る曲で、初めて聴いたときはお正月の感動も蘇って涙があふれた。そしてなんちゅう気持ちのよい曲だろう。まさしく「カンパーイ」である。それにしても、民生さんの曲にいつも感心させられるのが構成の巧みさだ。この曲なんかもう感心なんて言葉じゃ申し訳ない、あっぱれである。A〜Bメロへと行き、サウンドを厚くしてもうひと回り繰り返して、十分に引きつけてサビへと行く。ここまでは極めて王道の展開できているが、2コーラス目が見事。なんとA〜サビじゃ!! あのカッチョいいB部分をバッサリと捨て去る潔さとセンスったらなんだろう。僕なんかもったいなくて絶対できない。だが、この展開だからこの曲の仕上がりがグーンと上がっているのだ。もう一度言わせていただく、あっぱれである。

 

 

すばらしい音楽と出会うと、うまいビールを呑むのと同じうれしさがこみ上げる。サビが「カンパーイ」って、呑んべえの僕にとっては人生における大名曲が1曲加わったのだ。民生さん、ありがとう!!

 

 

  

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