昭和40年男とディズニーワールド。

デイズニーランドがなぜに人々の心をつかむのか、僕にとって七不思議のひとつである。だがその世界にろくにふれたことがないのだからどうこう言える資格はなく、素晴らしいとの言葉を聞くたびにただ頷いていた。そしてついにその世界を確認できる日がやって来たのだ。

昨日は会社のスタッフの結婚式で、そのお相手となる女性がディズニーフリークで、ここで式を挙げるのが夢だったそうだ。東京ディズニーシーに隣接するホテルミラコスタがその舞台で、僕は少しでもディズニーを理解しようと早めに向かった。舞浜駅を降りるとそこはすでにディズニーの世界が広がっていて、ブラブラと歩きながら眺める世界は僕の知らない類いのものだ。おかしな例えだがつい先日観たストーンズと真逆の世界に感じた。ロックンロールの香りはまったくない(笑)。

ディズニーシーさらに会場となるホテルが見えて来ると、コレまでの人生で過ごしたことのないデザインの建物だ。僕のようなブルースロックなヤツがこの館に入っていいのか? わけのわからない自問をしながらもホテルに入ると、そこにはディズニーワールドを満喫しにきた人々の笑顔であふれていた。そしてウロウロしているとこの写真の場所を見つけたのだ。目に飛びこんで来たのは、岩山が煙を吹き出している様子だった。瞬間的に「なにが起こっているんだ」とうろたえた僕だ。数秒後には理解できたが、この地に初めて訪れた昭和の男をビックリさせるには、威力十分だった。そしてその山のふもとには人の波が広がっていた。コレでホンの一部なのだから、どれだけの巨大マーケットなんだと感嘆させられた。うーむ、恐るべしディズニーワールドである。人々には笑顔があふれ幸せでいっぱいだ。子供連れの家族や女性同士のグループが目立ち、平均年齢は若い。ここからも先日の東京ドームの客層との差を強く感じ、きっとストーンズを聴くヤツはこの世界には浸れないだろうと感じたのだった。

式はいたってシンプルで、とくに夢の世界を感じさせることはなく終わり、いよいよ披露宴会場へと行くと、いたるところでミッキーマウスものがあふれていた。もしも昨日の式で弾き語りを頼まれていたら、この時点で辞退を申し出たことだろう。あまりにも僕の世界とかけ離れている。引き受けていた挨拶ならばそこまで考えなくていいと胸を撫で下ろしたが、昨日はこの世界観にのみ込まれたのか、新郎新婦には少々申し訳ない出来だった。原稿はかなり練り込まれたいいものになっていて、それの再現に気持ちが行ってしまい、今ひとつ言葉にパワーが乗らなかった。それと、あまりにも僕のキャラとかけ離れた世界観にやられたのだ(悔)。

なんとか挨拶が終わり、さあ乾杯だと思ったらケーキカットだと言う。珍しい進行だなと思ったらここに最大の演出があった。司会の方が最高のカップルがお祝いに来たと告げると、ミッキーとミニーが盛装して入って来るじゃないか。正直に言う。顔、怖かった。動きがカワイイのは認めるが、きっと近すぎるのもよくなかった。僕の席は主役にもっとも近く、それはそのままこの演出をもっとも近くで見たことになる。女性たちの黄色い声や、新婦の幸せそうな顔からはミッキー&ミニーの偉大さがわかるが、やっぱり僕はミックがいいな(笑)。

僕らが高2の昭和57年に東京ディズニーランドはオープンした。昭和40年男にとってどんな付き合い方なのだろう? もう少し下の年代にとっては強い影響を残しているだろうが、僕らにとってましてや男子にはそれほど大きな存在ではなかったのではないか。ここら辺は、明日の読者ミーティング『浅草秘密基地』で検証したい。

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1件のコメント

  1. 俺も別にローリングストーンズの何がいいのかわからないわww

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