はっぴいえんどの鈴木 茂さんインタビュー。

発売日がいよいよ明日に迫った。今年1年のいいスタートになってほしいと願うばかりだ。このブログで何度かお伝えしてきたように、次号の特集はシティポップを取り上げた。音楽のジャンルで特集を組むのは初めてのことで、1つのテストとしても明日からの動向が気になる今日だ。

はっぴいえんど『昭和40年男』の特集では、これまででもっともインタビュー記事の多い構成になっている。そのトップバッターとして登場願ったのが、鈴木茂さんである。この名前にビビッと来る昭和40年男は少数かもしれない。はっぴいえんどのギターリストといっても、そのはっぴいえんどがすべての昭和40年男に響き渡るわけでもあるまい。名前くらいは知っているという諸氏がほとんどだろうから説明させていただくと、日本のロックの発展を何年分も縮めた存在であり、その後のロックシーンにもっとも強い影響を残したといって過言でないスーパーバンドだ。ロック先進国のサウンドを取り入れながら、自分たちの感性を混ぜ合わせてチャレンジングな音を生み出し続けた。欧米のいいところを取り入れて発展してきた日本のワークスタイルを、音楽で成し遂げた4人組だと言えるだろう。

YMOの細野晴臣さん。作詞家として数えきれないほどの名曲を生み出してきた松本隆さん。そしてつい先日他界してしまった大滝詠一さん。そして今回登場願った鈴木茂さんのまさにオールスターである。まだ若かった彼らが、情熱を込めて作った音楽は今聴いてもまったく色褪せることなく、新鮮ささえ感じさせる。昭和45年にデビューして翌年にシーンに燦然と輝くセカンドアルバム『風街ろまん』を発表する。このアルバムには素晴らしい楽曲が多数収録され、それらが組み合わさり全編でトータルな世界観を作り上げている。収録曲のひとつ『風をあつめて』は、多くのミュージシャンにカバーされていて、きっと誰もが耳にしたことがあるだろう。

と、そんなスーパーバンドで活躍した鈴木さんは、はっぴいえんどの活動休止後もソロ活動や自身のバンド活動で強くロックにこだわり、一方の参加ユニットやアレンジャーとしては先端を行く洗練された音楽を作り続けていた。シティポップ全盛前夜では、石野真子さんの『狼なんか怖くない』や原田真二さんの『てぃーんず ぶるーす』などのアレンジを担当している。そのまま後のシティポップのアレンジも数多くこなし、コンポーザーサイドからの証言者として、今回お話をうかがったのである。

興味深いセリフとして、自分自身は「本籍はろっくにあるんだけど、当時の現住所はいろいろと動いていた感じがある」とあった。黎明期を迎えた日本の音楽シーンのど真ん中で、その後に続く発展に関与し続けてきた鈴木さんならではの言葉だ。シティポップが生まれていく過程や、現在のJポップにまで斬り込んでいろんな話を聞かせてくれていて、音楽好きにはズッシリと響くはずの言葉の数々をしっかりと受け止めてほしい。乞うご期待ですぞ。

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