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しゃべるという仕事。

2010 年 9 月 6 日 プロデューサー コメント


小学生のころはお笑い芸人を目指していたから、
大勢を前にしてしゃべるのは得意だった。
やがて歌うことを覚えライヴ活動に入ると、俺はだんだんしゃべらないシンガーになった。
今となれば、若さとは勘違いの連続であると笑い飛ばせるが、
当時は自分なりの主張があった。
歌でメッセージを発しているのに、しゃべっちまったらメッセージ性が薄れるという、
ああ、繰り返すが若さとは勘違いの連続である。

 

本づくりをするようになり『カワサキバイクマガジン』の編集長に就任して、
読者を集めてミーティングをやることになった。
カワサキとうちの共催というカタチになり、
第1回目は九州の大分県にあるサーキットで行なった。
大まかなスケジュールはあるものの、カワサキという大会社とやるという意味では、
と〜っても緩いものだった。
そして当日「北村さん、しゃべった方がいいよ」と。
確かに、編集長とはそういう性格のポジションかもしれんが、
イベントが始まってから、しかも○○をアナウンスしなくちゃならないからしゃべれという状況。
きわめて場当たり的に、そしてきわめて俺らしく、“MC北村”は誕生したのであった。
以来、今年で13年目を迎えるこのイベントは、ずっとしゃべり続けている。

 

ステージでまったくしゃべらなかった男がしゃべりまくっているのは、
やはり人生ってヤツはなにがあるもんかわかったものじゃない。
そしてこうなると転がっていくのだ。
その他のバイクイベントでもMCをつとめ、ラジオの音楽番組でゲストとして語るようになり、
テレビに出演してバイク業界のことを偉そうに語ったりと、しゃべる機会が増えていくのだ。
続けていくということは、レベルアップが要求されるというか、自分自身が求めていく。
今日のあそこはこうすればよかったとか、
あそこはこれからも使えるテクニックだからとメモに残したり。
たまにテレビなんか見ると、しゃべりのコツを研究している自分がいたりするほどだ。
紳介さんのしゃべりによく圧倒されたりする。

 

長い前置きとなった。
ついさっき浅草に戻って、小笠原からせっつかれながらこれを書いている。
一昨日の夜7:30まで原稿と戯れ、夜通し走って着いたのは鳥取県の境港だ。
ここで昨日行われたのがカワサキとの共催イベントで
『カワサキコーヒーブレイクミーティング』だ。
昨日は1000人以上を集めて、暑さと睡眠不足にフラフラしながらもしゃべった。
かまないようにと、疲れていることがばれないように気をつけて。
楽しく過ぎるように笑いの要素を入れこんで。
安全や環境に対するメッセージがずばっと効くようにタイミングをはかって。
極端に睡眠時間を削って臨んだわりにはうまくいったのではないだろうか。
とくに昨日はゲストで子泣きじじいと鬼太郎がきてくれ、これらと絡まなければならず、
頭を使うMCだった。

 

狙ったところで笑いが起きると、のりのいいナンバーで
お客さんが立ち上がってくれるのと同じくらいの快感で、滑ったときはただごまかす。
しゃべるというのは瞬間瞬間のひらめきでやるから、
歌を作って歌うとか原稿を書くように、確認はできないのがつらい。
失敗もたくさんあり、よく芸能人が失言でたたかれるのを見るたびかわいそうだなと思うが、
俺もいつも細心の注意を払っているつもりだ。
が、やっぱり瞬間のひらめきとは怖いもので「このガキ」とか
日本海のイベントで「拉致」とか、まずいのもずいぶんあった。
有名人でなくてよかった、ってそういう問題じゃない。

 

しゃべる仕事はあまり得意でないのはいまだ正直なところだが、
ニーズがある限りは一生懸命努力していこうと思う。
もしも、読者の方で俺がしゃべっている場面に出くわしたら、
ぜひぜひ感想を聞かせていただきたいものだ。

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