鈍行列車の旅。〜最終日〜

いやあ、前日の雷はホントにすごかったよ。あれほどクッキリハッキリとした光のスジを、
何十本も見続けたのは生まれて初めてだよ。カメラマンの武田は雨男だからな、仕方ないか。

それでは旅の最終日(昨日)の報告といきましょう。
3日間でもっともゆっくりの始発列車で、6時30分のスタートとなった。
チケットをなくしたので、泣く泣く自腹での購入だ。
川内(せんだい)まで、途中下車なしで向かい、乗り換えた列車が今回の一番のお気に入りになった。
2両編成の生活ラインであるが、オレンジ鉄道と名乗っているのがなんだか笑える。
のんびり行くまさにローカル線で、景色がすばらしい。
もしも金曜日に予定を入れていなかったら、この線だけに1日かけて取材したことだろう。

さらに乗り継いで鹿児島中央駅で武田と別れた。
ここからが最終アクセスとなるので、レンタカーで先回りしながら狙うという作戦に出たのだ。
最後は指宿枕崎線という、やはり2両編成の列車である。
これ、足回りがそうとうヤレていて、これまででもっとも大きな揺れとのつき合いになった。
さらに最後のシーンを盛り上げようと、たくさんつぶやくために
携帯への打ち込みを続けていたため、すっかり酔ってしまったよ。

一度の途中下車を挟み、まずは最南端の駅である西大山に到着した。
はじっこってロマンがあるなあ。
前回のチャリ企画もなぜ宗谷岬かって、最北端だからだもの。
この2号で北と南を制したことになるのだ。
(最近鉄道が走り始めた沖縄を除く。それ以前までは日本最南端だった)
45年生きてきての快挙に興奮を抑えられない俺だった。

そして14時36分、とうとうこの旅の最終地点に到着した。
ゴールがあるということが、感動へと誘ってくれるものなのだなと
あらためて気付かされたのだった。
ツイッターでつぶやき続けた3日間の旅だったが、
最後の最後にゴールを「柏崎」と書いてしまい、バカバカぶりを露呈してしまったよ。
ここでは駆け足で紹介してきたけれど、
次号では6ページを使ってたっぷりとお届けする予定なんで、乞うご期待。


撮影・武田大祐

★おまけ★
昨日と一昨日にひねり出した歌の一部です。
 一. 最終日 わくわく気分に さびしさが 混じる旅人 熊本の朝
 一. チケットが 門司のどこかで 一人きり さびしいことよ 主との距離
 一. さまざまな 日本の表情 この胸に 刻み込めたは 鈍行がゆえ

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