大編集後記その六。ミル・マスカラスが登場!!

昭和40年男にとって、プロレスは大きな感心ごとだった。僕が通った小学校では四の字固め禁止令が出たほどプロレスごっこが盛んで、きっとみなさんも同じような幼少期を過ごしたことだろう。魅力的なレスラーがたくさんいた中にあって、外人レスラーたちもまたブームの牽引役だった。以前登場したシンやブッチャー、前号ではスタン・ハンセンにインタビュー記事でご登場いただいている『昭和40年男』だ。今回もプロレスネタをうまく仕込むことかできたのは『夢、あふれていた俺たちの時代』で、昭和46年を取り上げたおかげだ。この年に千の顔を持つ男と呼ばれた、ミル・マスカラスが初来日しているのだ。

ミル・マスカラス

マスカラスといえばリングを華麗に舞う、それまでの外人レスラーとはまったく異なる存在だった。その個性と実力に早くから目をつけたのは、プロレスファンのバイブル『ゴング』の竹内編集長だ。初めて紹介されたのは初来日から3年も遡るとのこと。その竹内編集長を師と仰ぎ、当時をよく知る清水 勉氏 (『ゴング』の二代目編集長) に話を聞き、ページを構成しているのだからコイツは見逃せない。知らなかった事実の数々を4ページに渡って掲載している。

強く惹かれたのはそのファイト・スタイルも去ることながら「スカイ・ハイ」にのって登場するシーンのカッチョよさも大きい。ブッチャーが使ったピンク・フロイドの「吹けよ風、呼べよ嵐」や、ザ・ファンクスが起用したクリエイションの「スビニング・トゥ・ホールド」など、外人レスラーの選曲はセンスが良い。そんな名曲の中でも、「スカイ・ハイ」はもっとも登場にふさわしい曲じゃなかろうか。記事ではこの曲にまつわる話にも触れていて、僕は誌面のチェック時から頭の中でジングルが続いている。それにしても曲の想い出ってのは、時間を超越して当時へと連れて行ってくれるものだ。

タクシーに乗り込む貴重なカットや、奇抜なコスチュームをまとった姿など、写真も見逃せないページとなっていて、これだけで680円の価値があるでしょう(笑)。さあ、まだ購入していない昭和40年男たちよ、今スグ書店・コンビニへと走れっ!!

2013/11/12 誤字修正しました。ご指摘ありがとうございました。
 

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