お気に入りのカランダッシュ・ボールペン。

23583e2fd1eab55e3d307039b9c928fd-400x300デジタル難民の僕にとって、手帳とボールペンは最重要仕事ツールである。双方ともにわりといいモノを使っているのは、アナログ人間の証だともいえる。ボールペンはカランダッシュ製のものを愛用して、きっとかれこれ20年近い。この間に紛失が2回あり、その都度まったく同じものを購入してすでに三代目で、もう無くさないぞと大切にしてきた。

二代目は一昨年の暮れに紛失してしまい、新しい年を迎えるまでは安物のボールペンで過ごし、気分の一新を目指して吟味に出かけたが結局コイツを超える相棒には出会えなかった。僕にとっては、ボールペンにそんなにかけるのかというほど高い価格だが、大事な2大仕事ツールである。気持ちよく仕事をするためになくてはならない投資だと考えている。それに頑丈だから、普通に使えば10年はラクラク活躍してくれ、年間コストで考えれば僅かなものだ。

紛失劇は今朝のことで、思えば予兆のようなものがあった。家を出ると爽やかな秋風が吹いていて、それを味わっているところをさえぎるように電話が鳴った。さっそうと案件を処理して切った瞬間に、激しく落とした。「やれやれ、どこか決まらない俺だぜ」とぼやきながら拾うと電源がー切れていて、しかも何度起動ボタンを押しても入らない。爽やかな空気は僕のまわりだけ一変して、背中が凍り付くような寒さへと変わった。ここんな日に限ってアポが4つも入っていて、その間電話が通じないのは相当まずい。もしかしてデータがすっ飛んでいたらどうなるんだとも考えながら電車に乗り込んで、未練がましく起動ボタンを押してみたら電源が入った。最悪のことを考えていた僕だったから、むしろ得した気分を味わったのだった。

うかれ気分で会社のある浜松町駅に着き改札をくぐると、後ろから親切な方が手帳が落ちていると教えてくれた。腰痛がひどくて3wayバックなるリュックのように背負えるカバンを採用しているのだが、キチンと締めるのをついつい忘れて背負ってしまい、落とし物をすることがしばしばある。今朝もまったくそれで、しかも混雑時だからあわてて拾いカバンに詰め込んで出社した。作業に入ろうと手帳を広げると、いつも挟み込んでいる愛用のボールペンがない。考えること約3秒。やっちまったと駅に問い合わせたが、届けられていないとのことだ。2年も保たないうちに、三代目との付き合いがを終わったのである。

こうしてモノを無くすと思い出す。小学生のときに、せっせと集めたプロ野球カードをうっかり無くしてしまったときの深い悲しみだ。電器屋だった店の前で友達と見せ合っていた。やがてそれに飽きて公園に遊びに行こうとなり、一時でも惜しく店頭に置いてあった段ボールの中に入れて出かけた。が、その段ボール箱は回収予定のもので、たっぷりと遊んで帰ったら店頭から消えていたのだ。母親に聞くとメーカーがすでに回収したとのこと。叫ぶようになんとかならないのかとすがる僕にあきれながら、メーカーに問い合わせてくれた母だったが、すでに行方はわからないとのことだった。

ちっちゃな頃からおっちょこちょいだ。どうせ無くすのだろうから、安物のボールペンを使いつぶす方がいいかなとついつい訪問先の方々のボールペンが気になった。うーむ、人それぞれなんだなと観察したが、いいものを使っている人がなぜかできる男に見えてしまうのは、四代目を手に入れようとする気持ちの表れに思えなくもない。さてさて、どうしたものかなあ?

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