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昭和40年男だから味わえる、至福の時間。

2013 年 8 月 6 日 プロデューサー コメント

右から2人目がガースハドソンで、このアルバムリリース時は32歳。76歳の今とあまり変わらない印象だった

右から2人目がガースハドソンで、このアルバムリリース時は32歳。76歳の今とあまり変わらない印象だった

先週末のこと、大人のライブスポット『ビルボード東京』でガース・ハドソンのライブを観に行った。行く前にもこんな風に騒いだ僕で、遠足で眠れない日を思い出したほど楽しみにしていた。

 

 

多大なる影響を受けたザ・バンドの5人のメンバーのうち3人はすでに逝ってしまっている。ガースもこの日が76歳のバースディライブとのことだから、時の流れを感じさせる。48歳になったばかりの僕が28歳上の爺様からどんな元気をもらえるか。もしも、しょうもない演奏だったらとの若干の不安がよぎりつつ、期待とともに席に着いた。

IMG_0801東京の大人の音楽空間としては、ブルーノート東京と双璧だろう。あっちは基本的にはジャズで、こちらは『ビルボード』の名そのままに、もっと広いジャンルの音楽を楽しめる。開演の45分前に席に着くと、すでに7割くらいが埋まっていて、思い思いの時間を過ごしながら、皆ガースを待っていた。飲食のメニューが充実していて、フルコースなんて設定もあるのだ。僕らはまずでっかい生ビールとフィッシュ&チップス、ソーセージをオーダーして乾杯。ワクワクしながらビールを呑むのは、これ以上ない贅沢であり快感といってもいい。テーブルに並んだフードとともに、ゆったりとした時間とガースへの期待を込めた会話を楽しみながら、赤ワインのボトルをオーダーした。ライブ途中でドリンクのオーダーをしたくない僕にとってこれがベストセレクトだ。総立ちのライブハウスだって楽しいのは昔と変わらないが、こういった優雅さを手に入れたのは成長の証なんだと酔う。

そしていい具合のところでライブが始まった。『ラストワルツ』で何度も何度も繰り返し観たガースとほとんど変わらなく見える。カッチョイイ。心配だったプレイはまったく問題なしどころか、スゲー超絶テクニックを惜しみなく披露した。音楽は年齢に打ち勝つことができるのだね。リハ不足なのか、バンド全体のリズムはイマイチ決まっていなかったが、そんなのどうでもよく感じてしまうガースのやっちゃぶりで、終始音楽小僧になったまま楽しそうに鍵盤を叩きまくった。ザ・バンドの曲をいくつもサービスしてくれ、最後は誕生日を祝って幕だ。

 

客は全員ザ・バンドのファンで、きっと逝ってしまったメンバーに想いを馳せて過ごしたはずだ。リックとレヴォン、そしてリチャードの声が聴こえてくるようだった。もう2度と聴けないスーパーボーカルトリオなんだと、悲しい現実が迫ってきた瞬間はついつい涙があふれた。が、まるで会場で3人が見守っているような気がしたのは、彼らが愛したガースだからこそだ。リヴォンは著書にこんな言葉を残している。
「僕たちはガースがいさえすれば、それがザ・バンドだと考えていた」と。職人集団としてその名を轟かせたザ・バンドにあって、ガースはその指導者だったのだ。そのガースだからこそ、この夜たっぷりとザ・バンドを感じさせてくれた。

会場を後にして贅沢な夢を描いた。ロビー・ロバートソンと2人でザ・バンドの復活ライブをやって欲しい。それをやはり、ビルボード東京で酒を楽しみながら観たいものだ。まだまだガースは元気そうだから、実現は決して遠い夢じゃない!?

 

 

 

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