音楽と雑誌。

先日、シンガーで作家としても活躍する友人、こうじろうと酒を呑んだ。
さまざまな話が展開されていく中で、かなり真剣に議論したのが音楽の未来である。
ご存知の通り、CDが売れない。
いろんな要因があるが、無料化への流れが止まらないことも大きいだろう。
先日坂本龍一さんが、
「音楽コンテンツの無料化の流れは仕方ない。
でも、3,000円のCDにはお金を出さないけど、その3倍もする公演には足を運ぶ」
というようなことを新聞紙上で語っていた。

俺たちも激論である。
だんだんと酒の力に押されてしまい、笑い話へと完全移行するまでに
そう時間はかからなかったが、とにかくライブ力を磨いていくことは
世の中の流れに沿ったことであることだけは間違いないとのコンセンサスを得た。
(がんばりますので8月7日の宴にはぜひ足を運んでください。
こうじろうもミニライヴを予定しています)

デジタル化において、音楽業界は我々雑誌の世界よりもずーっと先輩で、
いまだ過渡期ではあるもののずいぶんと方向性や考え方はまとまってきている。
雑誌業界も遅ればせながら、ここ数年は大騒ぎになっていて、
どう切り開いていくかは紙媒体にたずさわるすべての者の課題であり、
すでに革新的な技術や方法論もずいぶんと生み出されてきている。
さきのデジタル・パブリッシング・フェアでは、
そんな先駆者たちのプレゼンテーションの数々にふれることができ、
意識改革を急がなければならないことを突きつけられた。

本質の所では音楽も雑誌も変わらない。いいモノを創ればいいのだ。
ただ、そこにどう対価が付けられていくのかのしくみそのものが、ガラガラと崩れている。
悲観する気はないが、多いに焦りを感じている。
単純に本やCDを売って、10年20年前のような対価へと盛り返していくということは120%ない。
むしろどんどん低額化、無料化へと突き進んでいくことだろう。
そこで勝負しなければならないのだから、ねっ、焦るでしょ。

出版だけに限らず、デジタルの世界、いや、世の中そのもののスピードが
加速の一途をたどっているから、1日1日の進化が必要とされている。
その積み重ねで、5年とか3年とかでなく、1年後にどこまで変わっているか?
焦りつつも、自分自身が毎日ブログに原稿をあげて、
さらにつぶやいているなんて1年前の自分には想像できなかったことだ。
全力で突き進んでいこうと思う。

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2件のコメント

  1. いつの時代もイイものは売れる。
    ただそのイイものは”花”と同じでいつまでも咲いていない。
    その花が枯れる頃にはあの花、この花、そんな花と世に乱立し価格破壊も進んで末期状態。

    だけど必ず頭のイイ奴が現れて枯れない”華”を世に提供し
    完全な終焉となる。

    この度、夏のボーナスが十万円台だった使われ踊る木偶の一人ごとナリ。

    • うーん、鋭い一人ごとですなあ。でもね、俺はいいモノは永遠に咲き続けると思っちゃってる脳天気であります(笑)。

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