マリーンさんインタビュー、再び。

マリーンさん

初めて彼女、マリーンとの名を耳にしたのは高校時代のことで、今もプロミュージシャンとして活躍する友人から「スゲエ、歌のうまい人がいるから聴いた方がいい」と推薦されたことがキッカケだった。彼と同じく、僕もプロミュージシャンを目指していたから、互いの情報や意見交換は尊重していてすぐに聴いてみた。歌姫と呼ぶにふさわしく、パワフルでありながら繊細な彼女の歌に脅威すら感じたのだった。日本の音楽シーンもここまで来たのかと、お前いったい何者だと突っ込まれそうな感想を持ったこともハッキリと覚えている。

その憧れのシンガーと会う機会を得たのは一昨年のことだった。アルバムのリリースに合わせたインタビューで、楽しく生きていくポジティブな考え方と歌への愛をたっぷりと聞け、元気と笑いをもらった取材になった。満を期しての掲載号発売日が東日本大震災と重なり、残念な記憶とともに心に刻まれた。本誌発売直後にリリース予定だったマリーンさんのアルバムも、震災の影響を受けて発売が延期となってしまった。

マリーン シングス・ドナ・サマーそして先日、あれから2年以上の月日を経て新譜がリリースされた。今回はなんと、昭和40年男の心にグサリと刺さる、ドナ・サマーの曲からセレクトされたカバーアルバムなのだ。ディスコブームのまっただ中で、ディスコクイーンの名をほしいがままにした彼女との出会いは、僕にとって洋楽への登竜門となった『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』で、ヒットチャートを駆け上がった『ホット・スタッフ』だった。印象的なテーマイントロに続いて、ダイナマイトヴォイスが炸裂するカッチョよさに痺れたものだ。残念ながらまだディスコに行ける歳でない中2だったが、この曲で大人たちがみんなフィーバーしていることは十分に理解していて、もうすぐ行けるようになる日に夢を馳せたのだった。

今回のカバーアルバムの企画が立ち上がった後にドナ・サマーの悲報が届いたそうで、結果的に追悼盤のようになったが、マリーンさんが歌うというのはなんともナイスな企画じゃないか。アルバムレビューは後日ゆっくりと届けさせていただくことにするが、興味を持った昭和40年男たちはぜひ手に入れていただき、僕のレビューとの違いを楽しんでいただけたらうれしい。

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